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スカーレット オーク
第5章 5 約束
昨晩とは違って緋紗が少し前を歩く。
「十分くらい歩きますけど」
「大丈夫」
美術館に着くとまだ開館十分前で案内板の前のベンチに座って待つことにする。
「今更かもしれないけど。」
大友は名刺を差し出した。
『東海森林組合 大友直樹』――オオトモナオキ。
緋紗も自分が名乗ってないことに気付いた。――名前も教えあってなかった……。
「宮下緋紗です」
「ひさちゃんね」
――ちゃんづけか……。
少し不満だが気にしないようにし、そのうちに開館したので二人で入場した。
一番乗りかと思ったがすでに人がちらほらいる。
順路を辿り染物・織物を見たが二人とも関心があまりない分野なのでなんとなく眺めて通り過ぎた。
大友はやはり木が好きなのか渋い茶色をした木の箱を熱心に眺めている。
「やっぱり木工がお好きですか?」
「うーん。嫌いじゃないけど。あの大きな材木がこんな箱になることがあるのかと思うと不思議でね」
――変な見方。
「十分くらい歩きますけど」
「大丈夫」
美術館に着くとまだ開館十分前で案内板の前のベンチに座って待つことにする。
「今更かもしれないけど。」
大友は名刺を差し出した。
『東海森林組合 大友直樹』――オオトモナオキ。
緋紗も自分が名乗ってないことに気付いた。――名前も教えあってなかった……。
「宮下緋紗です」
「ひさちゃんね」
――ちゃんづけか……。
少し不満だが気にしないようにし、そのうちに開館したので二人で入場した。
一番乗りかと思ったがすでに人がちらほらいる。
順路を辿り染物・織物を見たが二人とも関心があまりない分野なのでなんとなく眺めて通り過ぎた。
大友はやはり木が好きなのか渋い茶色をした木の箱を熱心に眺めている。
「やっぱり木工がお好きですか?」
「うーん。嫌いじゃないけど。あの大きな材木がこんな箱になることがあるのかと思うと不思議でね」
――変な見方。