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スカーレット オーク
第5章 5 約束
「僕はもう駅に向かうけどひさちゃんはどうする?」
「あ。私ももう帰るので駅まで一緒にいきます」
並んで歩きながら緋紗は普通にカップルみたいだと思った。
しかし自分もそうだが大友が自分のことをどう思っているのかさっぱりわからなかった。――まだ好きじゃない。
少しドライなのかもしれない。
すぐ誰かに恋する友人がいるけど緋紗には信じられなかった。
恋人がいるときでも本当にその相手が好きかと聞かれたら『たぶん』とあいまいな感情のような気がする。
ましてや『愛してる』とはどんな感情なのだろう。
ただ大友に関して言えるのは『欲情してしまう』ということで『やりたい』と思う初めての相手なのだった。
駅の改札口に着く。
緋紗は伊部までの切符を買って改札口を通った。
大友は切符を持っていて駅員のいる改札口を通った。
違うところを通ってまた合流する。
また離れる。
新幹線方面とローカル方面に分かれる間で二人は立ち止まった。
「じゃあまた」
「はい。また」
エスカレータを上っていく大友がちらっと振り向いて緋紗に手を振る。
緋紗も振り返して登り切ったのを見てから自分が帰る方面へ歩き出す。
なんだか目まぐるしかった。――少しクールダウンしなきゃ……。
連続で二回窯を焚いたような興奮と疲労感だ。
電車の揺れを感じながら自分の日常へ帰っていった。
「あ。私ももう帰るので駅まで一緒にいきます」
並んで歩きながら緋紗は普通にカップルみたいだと思った。
しかし自分もそうだが大友が自分のことをどう思っているのかさっぱりわからなかった。――まだ好きじゃない。
少しドライなのかもしれない。
すぐ誰かに恋する友人がいるけど緋紗には信じられなかった。
恋人がいるときでも本当にその相手が好きかと聞かれたら『たぶん』とあいまいな感情のような気がする。
ましてや『愛してる』とはどんな感情なのだろう。
ただ大友に関して言えるのは『欲情してしまう』ということで『やりたい』と思う初めての相手なのだった。
駅の改札口に着く。
緋紗は伊部までの切符を買って改札口を通った。
大友は切符を持っていて駅員のいる改札口を通った。
違うところを通ってまた合流する。
また離れる。
新幹線方面とローカル方面に分かれる間で二人は立ち止まった。
「じゃあまた」
「はい。また」
エスカレータを上っていく大友がちらっと振り向いて緋紗に手を振る。
緋紗も振り返して登り切ったのを見てから自分が帰る方面へ歩き出す。
なんだか目まぐるしかった。――少しクールダウンしなきゃ……。
連続で二回窯を焚いたような興奮と疲労感だ。
電車の揺れを感じながら自分の日常へ帰っていった。