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スカーレット オーク
第5章 5 約束
備前市の特に作家内では情報が回りやすく緋紗のように女で弟子をしていると恰好の噂の的で、自分が関わりがない作家でも緋紗のことは筒抜けだ。
それぐらい備前焼界隈は狭い。
「どこが待ち合わせしやすいのかな」
「えーっと。駅から表口に出ると噴水と桃太郎像があるので、そこだと間違えないです。初めてでもよくわかるから」
「うん。じゃそこで七時に。覚えてて。泊まりだよ」
にっこりして大友がスケジュール帳に書き込んだ。――お泊り。
緋紗は『来月末桃太郎桃太郎――』と頭の中で呪文のように繰り返していた。
「そろそろ出ようか」
「はい」
大友が伝票をとろうとしたが緋紗が制した。
「ここくらいごちそうさせてください」
「じゃあごちそうさま」
カフェを出てそして会場を後にする。
それぐらい備前焼界隈は狭い。
「どこが待ち合わせしやすいのかな」
「えーっと。駅から表口に出ると噴水と桃太郎像があるので、そこだと間違えないです。初めてでもよくわかるから」
「うん。じゃそこで七時に。覚えてて。泊まりだよ」
にっこりして大友がスケジュール帳に書き込んだ。――お泊り。
緋紗は『来月末桃太郎桃太郎――』と頭の中で呪文のように繰り返していた。
「そろそろ出ようか」
「はい」
大友が伝票をとろうとしたが緋紗が制した。
「ここくらいごちそうさせてください」
「じゃあごちそうさま」
カフェを出てそして会場を後にする。