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スカーレット オーク
第64章 64 門出
来週から備前焼祭りだ。
そのための窯をここ十日ほど焚いている。
今日で最終日だ。
緋紗は松尾の指示で最後の五十本を窯の正面から突っ込み、蓋をして泥を塗った。
そろそろ鈴木と谷口が横焚きにやってくるだろう。
真夜中になり、予定通り窯焚きは終わった。
松尾の最終チェックのあと、片付けをし打ち上げが始まる。
「乾杯」
「お疲れ様。」
しばらく美紀子の料理を堪能し、飲む方に落ち着いてくると谷口が、
「今回は大友さん来なかったんじゃね」
と、言い出した。緋紗は、
「そうだね」
と、一言だけ言った。
松尾と美紀子は盆明けから緋紗の元気のない様子に何かあったのだろうとは思っていたが、あえて聞かなかった。
それを谷口が口火を切ったので二人は緋紗を気遣って聞こえないふりをする。
「宮下さんなんか暗いしな。喧嘩でもしたん?」
谷口は遠慮なく聞いてくる。
誤魔化しても谷口には無駄だと思ったので正直に、
「お別れした」
と、言った。
谷口も、「え?」 と、聞き返したがまず美紀子が反応した。
「そうなの?喧嘩じゃないの?」
そのための窯をここ十日ほど焚いている。
今日で最終日だ。
緋紗は松尾の指示で最後の五十本を窯の正面から突っ込み、蓋をして泥を塗った。
そろそろ鈴木と谷口が横焚きにやってくるだろう。
真夜中になり、予定通り窯焚きは終わった。
松尾の最終チェックのあと、片付けをし打ち上げが始まる。
「乾杯」
「お疲れ様。」
しばらく美紀子の料理を堪能し、飲む方に落ち着いてくると谷口が、
「今回は大友さん来なかったんじゃね」
と、言い出した。緋紗は、
「そうだね」
と、一言だけ言った。
松尾と美紀子は盆明けから緋紗の元気のない様子に何かあったのだろうとは思っていたが、あえて聞かなかった。
それを谷口が口火を切ったので二人は緋紗を気遣って聞こえないふりをする。
「宮下さんなんか暗いしな。喧嘩でもしたん?」
谷口は遠慮なく聞いてくる。
誤魔化しても谷口には無駄だと思ったので正直に、
「お別れした」
と、言った。
谷口も、「え?」 と、聞き返したがまず美紀子が反応した。
「そうなの?喧嘩じゃないの?」