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スカーレット オーク
第6章 6 大友家
夕方六時。
新幹線は静岡に到着した。
直樹は『のぞみ』から『こだま』に乗り換えて家に電話をかけた。
『二十分くらいで着くよ』
――もう起きてないとな。
さっきまでは少しウトウトしていたが咳払いをして頭をはっきりさせようと努めた。
そこそこ長い乗車時間ももう終わり自分の住む町に降り立ち、駅を出ると赤いオープンカーが到着していた。
「あれ。兄さんが来てくれたんだ」
母に頼んでおいたのだが兄が来ていて、ガソリンスタンドの元気な若い子のように声を掛けてくる。
「お疲れー。どうだった岡山は」
「なかなか良かったよ」
助手席で背伸びをしながら、さらっと答えた直樹だったが、「なんかいいことあったな?」と、鋭く突っ込まれた。――相変わらず鋭いな。
兄の颯介は今でこそ結婚をし落ち着いた生活を送っているが、若いころからふらふらとうろつき女性関係も派手だったので男の割に鼻が利く。
「母さんには黙っててやるから、教えろよ」
「そんな勘ぐるようなことはないよ」
「俺は木とじいさんばっかり相手にしてるお前を心配してだなあ」
「おもいっきりニヤニヤしてるじゃないか」
「そう、言うなって」
濁しているうちに家に着いた。
新幹線は静岡に到着した。
直樹は『のぞみ』から『こだま』に乗り換えて家に電話をかけた。
『二十分くらいで着くよ』
――もう起きてないとな。
さっきまでは少しウトウトしていたが咳払いをして頭をはっきりさせようと努めた。
そこそこ長い乗車時間ももう終わり自分の住む町に降り立ち、駅を出ると赤いオープンカーが到着していた。
「あれ。兄さんが来てくれたんだ」
母に頼んでおいたのだが兄が来ていて、ガソリンスタンドの元気な若い子のように声を掛けてくる。
「お疲れー。どうだった岡山は」
「なかなか良かったよ」
助手席で背伸びをしながら、さらっと答えた直樹だったが、「なんかいいことあったな?」と、鋭く突っ込まれた。――相変わらず鋭いな。
兄の颯介は今でこそ結婚をし落ち着いた生活を送っているが、若いころからふらふらとうろつき女性関係も派手だったので男の割に鼻が利く。
「母さんには黙っててやるから、教えろよ」
「そんな勘ぐるようなことはないよ」
「俺は木とじいさんばっかり相手にしてるお前を心配してだなあ」
「おもいっきりニヤニヤしてるじゃないか」
「そう、言うなって」
濁しているうちに家に着いた。