この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
スカーレット オーク
第9章 9 約束の日
直樹は岡山駅の改札口を抜け、表示通りに表口へと向かった。
もう夜の帳はすでに降りていて風もひんやりしているが、駅前は明るく賑やかで大勢の人が行きかっていた。
目印の桃太郎像はすぐわかった。
あたりには待ち合わせだろうか、独りでスマートフォンなどをいじっている男女がぽつぽついるが、見まわしても緋紗らしい女性はいない。
少し早い様で時計は六時五十分をさしている。
桃太郎像の足元は腰を掛けるのに便利そうな段になっており、とりあえず座って今日の講習会のことを思い出していた。
直樹は林業に必要な技術や資格はもうほとんど取得しているが、年に三回程度あちこちの講習会に出かけ新しい技術や考え方、方法を得て、また他県の森林を見に行っていた。
趣味と実益を兼ねた旅行のようなものだ。
同じようにあちこちの講習会に出ていて親しくなる人もいるのだが、そういう人たちは自分で林業を起こしたり、実家が林業でいよいよ自分が継ぐことになる人が多い。
そういう意味では直樹は異色かもしれない。
もう夜の帳はすでに降りていて風もひんやりしているが、駅前は明るく賑やかで大勢の人が行きかっていた。
目印の桃太郎像はすぐわかった。
あたりには待ち合わせだろうか、独りでスマートフォンなどをいじっている男女がぽつぽついるが、見まわしても緋紗らしい女性はいない。
少し早い様で時計は六時五十分をさしている。
桃太郎像の足元は腰を掛けるのに便利そうな段になっており、とりあえず座って今日の講習会のことを思い出していた。
直樹は林業に必要な技術や資格はもうほとんど取得しているが、年に三回程度あちこちの講習会に出かけ新しい技術や考え方、方法を得て、また他県の森林を見に行っていた。
趣味と実益を兼ねた旅行のようなものだ。
同じようにあちこちの講習会に出ていて親しくなる人もいるのだが、そういう人たちは自分で林業を起こしたり、実家が林業でいよいよ自分が継ぐことになる人が多い。
そういう意味では直樹は異色かもしれない。