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スカーレット オーク
第9章 9 約束の日
顔見知りに、「起業するんじゃないの?」と、たまに聞かれるが直樹には全くその気はなく森に行き木に触れることができれば良かった。
兄の颯介に欲のなさを指摘され『草食男子』とあきれられてしまうが、実際に自分自身でも不満なく今の生活に満足しているので『草食男子』なのかとも思う。
しかし以前の会社勤めのままだとこういう満ち足りた状態ではいられなかっただろう。
仕事の内容に不満もなく人間関係もとくに悪くはなかったが、いつもなにかしら乾いている感があり、
林業という仕事を知って簡単には飛び込めない雰囲気で自信もなかったが林業体験時に、ずっとここに居たいという気持ちが強く芽生えた。
初めて触る重機や木に登った時の高さには緊張したが、いつの間にか自然に馴染んでいた。
まずは三年と思って必要な技術や資格をとっていったが気づくと三年はあっという間に過ぎていて五年目になっている。
今ではこの仕事を辞めることも変えることも考えなかった。
それでも緋紗と出会ってからなんだか日々の色彩が彩度を増している気がすると、彼女のことを意識し始めたとき、目の前に息を切らせたボーイッシュな女の子が立っていた。
兄の颯介に欲のなさを指摘され『草食男子』とあきれられてしまうが、実際に自分自身でも不満なく今の生活に満足しているので『草食男子』なのかとも思う。
しかし以前の会社勤めのままだとこういう満ち足りた状態ではいられなかっただろう。
仕事の内容に不満もなく人間関係もとくに悪くはなかったが、いつもなにかしら乾いている感があり、
林業という仕事を知って簡単には飛び込めない雰囲気で自信もなかったが林業体験時に、ずっとここに居たいという気持ちが強く芽生えた。
初めて触る重機や木に登った時の高さには緊張したが、いつの間にか自然に馴染んでいた。
まずは三年と思って必要な技術や資格をとっていったが気づくと三年はあっという間に過ぎていて五年目になっている。
今ではこの仕事を辞めることも変えることも考えなかった。
それでも緋紗と出会ってからなんだか日々の色彩が彩度を増している気がすると、彼女のことを意識し始めたとき、目の前に息を切らせたボーイッシュな女の子が立っていた。