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スカーレット オーク
第11章 11 デート
「もう帰る時間だな」
「あの――また会えますか?」
「正月って休みある?」
「ええ。一応今年は一週間くらいある予定です」
「僕は毎年、年末年始にペンションを手伝っているんだ。一緒に来ない?静岡だけど」
「え。そんなところに一緒に行っていいんですか?」
「うん。まあ人手不足ってやつでね。年末年始だけちょっと忙しいんだ。いつも誰かいないのかって聞かれるんだ」
誘われる内容に疑問も多少残るがまた大友と過ごしたいと思い「私も行きます」と、返事した。
「親御さんは平気?お正月に帰らないで心配しない?」
「もう……いい歳なので正月に帰らないからって心配はさすがにしないです」
「そういえばひさちゃんは歳いくつ?」
「二十七です。なのでちゃん付けはよしてください」
幼く見えていたのだろうか。大友が意外だという顔をしていた。
「呼び捨てでいいです。大友さんは何歳なんですか?」
「三十二だよ」
年齢を知ると態度は落ち着いているが、肉体にはまだまだ疲弊感がない若さがあるし、話す内容も自分の世代とかけ離れてはいないと思った。
イメージと違って歳が近いことになんとなく距離感が縮まる気がする。
どうやらお互いに十歳くらいの差を感じていたらしい。
「直樹でいいよ」
緋紗は心の中で名前を呼ぶ練習をしてみる。
「あの――また会えますか?」
「正月って休みある?」
「ええ。一応今年は一週間くらいある予定です」
「僕は毎年、年末年始にペンションを手伝っているんだ。一緒に来ない?静岡だけど」
「え。そんなところに一緒に行っていいんですか?」
「うん。まあ人手不足ってやつでね。年末年始だけちょっと忙しいんだ。いつも誰かいないのかって聞かれるんだ」
誘われる内容に疑問も多少残るがまた大友と過ごしたいと思い「私も行きます」と、返事した。
「親御さんは平気?お正月に帰らないで心配しない?」
「もう……いい歳なので正月に帰らないからって心配はさすがにしないです」
「そういえばひさちゃんは歳いくつ?」
「二十七です。なのでちゃん付けはよしてください」
幼く見えていたのだろうか。大友が意外だという顔をしていた。
「呼び捨てでいいです。大友さんは何歳なんですか?」
「三十二だよ」
年齢を知ると態度は落ち着いているが、肉体にはまだまだ疲弊感がない若さがあるし、話す内容も自分の世代とかけ離れてはいないと思った。
イメージと違って歳が近いことになんとなく距離感が縮まる気がする。
どうやらお互いに十歳くらいの差を感じていたらしい。
「直樹でいいよ」
緋紗は心の中で名前を呼ぶ練習をしてみる。