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スカーレット オーク
第12章 12 元カレの結婚
緋紗が昼食を終え、仕事場の作業台でお茶を啜っているとガラッと扉が開いて誰か入ってきた。
振り返ると二年前に別れた渡辺達郎が立っている。
「あら。久しぶり。どうしたん?」
喧嘩別れしたわけでもなく嫌いになったわけでもないのでさらっと緋紗は声をかけたたが、達郎はなんだか変な表情をしている。
「わい、今度結婚するじゃ。それで松尾先生に式の招待状持ってきた」
長かった髪の毛を切り短髪になった達郎は、以前の少し暑苦しい作家風な容貌からこざっぱりとした好青年になっていた。
「へー。おめでとう!いつの間にー」
「ありがと。別にええんじゃけど。あんなあ」
「んん?」
「おめえ、先週の土曜、男と一緒にホテル街歩いとったじゃろ」
ぎょっとして少し慌てたが緋紗は、「それがどうかした?」と、平静を装って答えた。
「別にええんじゃけど。なんか大丈夫なんかなあって」
別れた女の心配をする二代目の人の良さに感心しながら緋紗は、「ちゃんとした恋人だから心配せんでええよ」と、嘘をついた。――あーあ。またこれで余計な噂されるなあ。
別の心配も出てきてしまったので話をごまかそうと「結婚相手ってどんな娘?」 と、話を達郎のほうへ振る。達郎は照れながら話す。
「去年センター卒業した娘で、うちに手伝いに来とったんじゃ」
「ほうほう。それで手を出したわけね」
「最初そんな気、全然なかったんじゃけど、でれぇなつかれて」
しどろもどろに話しながらも、喜びの表情が見て取れる達郎に心から祝福した。
振り返ると二年前に別れた渡辺達郎が立っている。
「あら。久しぶり。どうしたん?」
喧嘩別れしたわけでもなく嫌いになったわけでもないのでさらっと緋紗は声をかけたたが、達郎はなんだか変な表情をしている。
「わい、今度結婚するじゃ。それで松尾先生に式の招待状持ってきた」
長かった髪の毛を切り短髪になった達郎は、以前の少し暑苦しい作家風な容貌からこざっぱりとした好青年になっていた。
「へー。おめでとう!いつの間にー」
「ありがと。別にええんじゃけど。あんなあ」
「んん?」
「おめえ、先週の土曜、男と一緒にホテル街歩いとったじゃろ」
ぎょっとして少し慌てたが緋紗は、「それがどうかした?」と、平静を装って答えた。
「別にええんじゃけど。なんか大丈夫なんかなあって」
別れた女の心配をする二代目の人の良さに感心しながら緋紗は、「ちゃんとした恋人だから心配せんでええよ」と、嘘をついた。――あーあ。またこれで余計な噂されるなあ。
別の心配も出てきてしまったので話をごまかそうと「結婚相手ってどんな娘?」 と、話を達郎のほうへ振る。達郎は照れながら話す。
「去年センター卒業した娘で、うちに手伝いに来とったんじゃ」
「ほうほう。それで手を出したわけね」
「最初そんな気、全然なかったんじゃけど、でれぇなつかれて」
しどろもどろに話しながらも、喜びの表情が見て取れる達郎に心から祝福した。