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スカーレット オーク
第12章 12 元カレの結婚
 達郎は備前焼作家の二代目で陶芸センターでは後輩にあたり、年齢も緋紗より二つ下だ。
一度適当な飲み会に参加したときに盛り上がって付き合ったのだが、亭主関白で強引な達郎と個人主義であっさりした緋紗とは水と油だった。
お互いに尊敬できる部分もあったため嫌いになることはなかったが、交われない部分が多すぎるため別れる方がいいと判断した。
久しぶりに見ると達郎も落ち着いてきた雰囲気がある。――達郎に合う娘なんだろうな。

「私は呼んでくれなくていいよ」

 笑いながら言うと「さすがに元カノ呼べまあ」と、達郎も笑って言った。

「あの男と結婚すん?」

 再び聞いてくる。――しつこいなあ。

「いやー。まだ付き合って浅いしさ」
「ふうん。おめえも早う幸せになられ」
「うんうん。達郎もお幸せにね」

 面倒になった緋紗は適当に済ませた。
達郎が帰った後少し考えそうになったが、師匠の松尾が来たので仕事を始めた。
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