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Backside storys
第1章 小鳥遊 真紀
会社の帰り、急に雨が降ってきて、思わず近くのコンビニに飛び込む。
折り畳みなんて持ってないし、此処から家まではあと5分弱。
ちょっと雨宿りするか、傘を買うか。悩む距離。
急な雨に傘を買う人が多いみたいで、レジ横のラックは空っぽやった。
やっぱりか…諦めて甘いモノでも買おう、と、移動した。
最近コンビニデザートがお気に入り。
百貨店やら小洒落た路面店のケーキ屋さんで一つだけケーキを買うのはちょっと気が引ける。
でもコンビニなら、ひとつだけでも何とも思わへんし、値段もしれてる。そして最近のはクオリティも低くない。
悩みに悩んでひとつ手に取ろうとした時、横から伸びてきた手と私の手が当たる。
「あ…」
「ごめんなさい、どうぞ。」
反射的に譲ったら、相手の男の人はいえいえ、と頭を振って、今度は譲り合いが始まる。
相手が私が悩んで選ばなかった方を取ったから、じゃあ、と会釈して手に取った。
レジに並び、会計を済まして店を出たところで、さっきの男の人と鉢合わせる。
コンビニの軒先から中々動かへんその人は、雨脚の強さに日和ってるようやった。
折り畳みなんて持ってないし、此処から家まではあと5分弱。
ちょっと雨宿りするか、傘を買うか。悩む距離。
急な雨に傘を買う人が多いみたいで、レジ横のラックは空っぽやった。
やっぱりか…諦めて甘いモノでも買おう、と、移動した。
最近コンビニデザートがお気に入り。
百貨店やら小洒落た路面店のケーキ屋さんで一つだけケーキを買うのはちょっと気が引ける。
でもコンビニなら、ひとつだけでも何とも思わへんし、値段もしれてる。そして最近のはクオリティも低くない。
悩みに悩んでひとつ手に取ろうとした時、横から伸びてきた手と私の手が当たる。
「あ…」
「ごめんなさい、どうぞ。」
反射的に譲ったら、相手の男の人はいえいえ、と頭を振って、今度は譲り合いが始まる。
相手が私が悩んで選ばなかった方を取ったから、じゃあ、と会釈して手に取った。
レジに並び、会計を済まして店を出たところで、さっきの男の人と鉢合わせる。
コンビニの軒先から中々動かへんその人は、雨脚の強さに日和ってるようやった。