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Backside storys
第1章 小鳥遊 真紀
「…止みませんね…」

「…ですね…」

ふぅ、とため息をついたその人の横顔をチラッと盗み見る。
あっさりした、塩顔。
でも優しそうで、嫌いな顔じゃない。

「こっからまだ遠いんですか?」

なんの気なしに聞いてみる。

「…や…まぁ、三宮から地下鉄なんで…こっからアーケードのあるとこまで頑張れば…」

「あぁ…」

最短ルートは2号線を渡らなあかんから信号に引っかかると厄介。長いしオフィス街やから屋根とか軒先がある建物が少ない。かと言って都度都度コンビニで雨宿りしながら…も面倒くさいしな。青になった瞬間に店を出ても横断歩道までがちょっと距離がある…

「地下鉄降りてからは大丈夫なんですか…?」

「え?」

「あ、いえ、方向的には一緒やなと思って…」

「あ〜…地下鉄の後は…諦めてタクシー使おうかな…駅前のコンビニも小っさいから、この雨じゃ傘をなんか残ってないやろし…」

「…よかったら、傘、貸しましょか…?」

「え?」

「いえ…ウチ、こっから5分もかからんし…方向的に一緒やから…ウチの前におってくれたら一旦上がってビニール傘くらい持ってきますよ?」

「いえ!そんな申し訳ないから…」

「さっきチーズケーキ譲ってくれたし。困ったときはお互い様。」

「…じゃあ…お言葉に甘えても…いいですか?」

はい、じゃ、行きましょ!と声をかけて、私は雨の中に飛び出した。
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