この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Backside storys
第1章 小鳥遊 真紀
「…止みませんね…」
「…ですね…」
ふぅ、とため息をついたその人の横顔をチラッと盗み見る。
あっさりした、塩顔。
でも優しそうで、嫌いな顔じゃない。
「こっからまだ遠いんですか?」
なんの気なしに聞いてみる。
「…や…まぁ、三宮から地下鉄なんで…こっからアーケードのあるとこまで頑張れば…」
「あぁ…」
最短ルートは2号線を渡らなあかんから信号に引っかかると厄介。長いしオフィス街やから屋根とか軒先がある建物が少ない。かと言って都度都度コンビニで雨宿りしながら…も面倒くさいしな。青になった瞬間に店を出ても横断歩道までがちょっと距離がある…
「地下鉄降りてからは大丈夫なんですか…?」
「え?」
「あ、いえ、方向的には一緒やなと思って…」
「あ〜…地下鉄の後は…諦めてタクシー使おうかな…駅前のコンビニも小っさいから、この雨じゃ傘をなんか残ってないやろし…」
「…よかったら、傘、貸しましょか…?」
「え?」
「いえ…ウチ、こっから5分もかからんし…方向的に一緒やから…ウチの前におってくれたら一旦上がってビニール傘くらい持ってきますよ?」
「いえ!そんな申し訳ないから…」
「さっきチーズケーキ譲ってくれたし。困ったときはお互い様。」
「…じゃあ…お言葉に甘えても…いいですか?」
はい、じゃ、行きましょ!と声をかけて、私は雨の中に飛び出した。
「…ですね…」
ふぅ、とため息をついたその人の横顔をチラッと盗み見る。
あっさりした、塩顔。
でも優しそうで、嫌いな顔じゃない。
「こっからまだ遠いんですか?」
なんの気なしに聞いてみる。
「…や…まぁ、三宮から地下鉄なんで…こっからアーケードのあるとこまで頑張れば…」
「あぁ…」
最短ルートは2号線を渡らなあかんから信号に引っかかると厄介。長いしオフィス街やから屋根とか軒先がある建物が少ない。かと言って都度都度コンビニで雨宿りしながら…も面倒くさいしな。青になった瞬間に店を出ても横断歩道までがちょっと距離がある…
「地下鉄降りてからは大丈夫なんですか…?」
「え?」
「あ、いえ、方向的には一緒やなと思って…」
「あ〜…地下鉄の後は…諦めてタクシー使おうかな…駅前のコンビニも小っさいから、この雨じゃ傘をなんか残ってないやろし…」
「…よかったら、傘、貸しましょか…?」
「え?」
「いえ…ウチ、こっから5分もかからんし…方向的に一緒やから…ウチの前におってくれたら一旦上がってビニール傘くらい持ってきますよ?」
「いえ!そんな申し訳ないから…」
「さっきチーズケーキ譲ってくれたし。困ったときはお互い様。」
「…じゃあ…お言葉に甘えても…いいですか?」
はい、じゃ、行きましょ!と声をかけて、私は雨の中に飛び出した。