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Backside storys
第3章 龍沢 玲司
息を整え、ふと、今何時だ…と携帯を引き寄せる。

「…11時…か…どうする? 少し休んで帰る?それとも朝まで眠る?」

「…このまま朝まで一緒に居たい」
 
甘えるように胸に頬擦りしてくる。可愛いかよ…けど、流石に朝帰りは目立つだろ…
「社長と奥さんが心配するんじゃない?大丈夫?」

「…大丈夫。お母さんには龍沢さんとデートだって言って来たから。帰ってこなれけば察してくれるわよ。」

言ったの?俺とデートて…それで朝帰り?

「…マジか…社長にももう伝わってる…?」

「多分ね。」

ニッコリと無邪気な笑顔は、計算というか…確信犯だ。

「…明後日出勤するのが怖い…」

「摘み食いのつもりなら怖いでしょうけど。真剣な交際なら大丈夫よ。」

小悪魔、もとい女神の囁き。
「…言うねェ…涼香ちゃんには敵わないな…」

そもそも凡人が、女神に敵うワケないか…

「龍沢さん。最高の誕生日をありがとう。」

その言葉に思わず目を丸くする。

「え?涼香ちゃん誕生日なの?」

「うん。今日で23歳になりました。」

「そんなのもっと早く言ってくれればよかったのに…」

いきなり誕プレなんてキザなことできないけど、知ってたら店でデザートプレートくらい頼んだのに…

涼香ちゃんはううん、とかぶりを振る。

「初恋を成就させてくれたんだもの。こんな最高のプレゼントないわ。」
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