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第4章 芳川　翠　& 玄　徹匠　 ー13years agoー

玄　徹匠…

同じクラスの男の子だけど、彼はとても目立つ。
身長は170ないくらい、だけど…細身でスタイルがイイ。

ツンツンに立てた短い金髪、３つも空いたピアス。

周りには取り巻きというか、常にヒトが居て…地味な私とは、まるで違う世界の住人だった。

驚いたのは、彼のおうちがお寺だということ…詳しくは知らないけど、学校の近くにある、大きなお寺の息子さんなのだそうだ…

お寺に生まれたからって必ずしもお坊さんになる訳じゃない、のかもしれないけど…
お寺ってなんか、厳しそうだし…そんなとこで金髪とか大丈夫なんだろうか…
お坊さんでもツルツルの坊主頭じゃなく、髪のある人もいるのは知ってるけど…金髪のお坊さんは流石に聞いたことない…

それ以前にお坊さんの子供なのに不良ってどうなの…お坊さんって道徳的な職業の代表なんじゃないの…自分の息子すら真っ当に躾られないお坊さんのお寺…私の貧相な想像力では、金儲け主義の金ピカのお寺しか思い浮かばなかった。

「玄くんが、屋上で誰かをカツアゲしてたんだって？」

「…カツアゲかどうか…死ねって言ってるのが聞こえて…でも私はちゃんと見えてなくて…」

私たちは結局、教室の隅っこで前後の机を2つくっつけてもう1人の友達と3人でお弁当を食べてた。