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Backside storys
第4章 芳川 翠 & 玄 徹匠  ー13years agoー
「あかりんには見えたんだ」

お弁当の卵焼きをフォークで突き刺したのはもうひとり仲良くしてるゆかりちゃん。ホントはゆかりちゃんも屋上に誘ったけど、ゆかりちゃんは高所恐怖症だとかで、みんなで食べたいけど屋上行くくらいなら1人で食べるよ、私のことは気にしないで行っといでー、と言って、教室に残っていた。で、結局教室に戻った私たちといつもどおり3人で食べてる。

ゆかりちゃんの字を漢字で書くと、縁。最初、みどり?いや違う、エンだ…と思ってたら、自己紹介でゆかりです、と言っていて、あ、ご縁がある、とかの、エンで、ユカリとも読むのか…とはじめて知った。

結局、ミドリ、アカリ、ユカリ、って何か名前のカンジ似てるね!とゆかりちゃんが言い出して、初対面の私をいきなりみどりんと呼んだ。
あかりちゃんのことはあかりん。でも私も朱莉ちゃんもゆかりんとは呼ばない。
えー?呼んでよぉ、とゆかりちゃんは言うけど、なんか気恥ずかしくて呼べないでいる。

「顔は見えなかったけどね…あの金髪は玄くんだと思う…」

「みどりんには見えなかったの?」

「金髪なのは見えたけど…金髪イコール玄くんていえるほど学校の人知らないし…」

「確かに。」

人違いかな、と結論付けて、その会話は終わった。
話題は昨日見たTVの話に移行し、それ以降そのことに触れることもなく、学校でも、当然だけど誰かが死んだなんて話はなくて、そのまま忘れてしまった。

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