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Backside storys
第4章 芳川 翠 & 玄 徹匠  ー13years agoー
知らないヤツなら職員室に届けるけど、せっかくのチャンスだ。
明日直接渡してやろう。
その生徒手帳をブレザーのポケットに滑り込ませ、俺はウチに帰った。

でも、次の日、芳川に話しかけようとしても、俺と目が合った瞬間にもの凄い勢いで目を逸らされて。

休み時間とか、居ない間に机にこっそり返しとこうかとも思ったけど、やっぱそれは勿体なくて。直接渡したら、友達じゃなくたって、ありがとうくらいは言って貰えるだろうし…と思うとやっぱこっそり返しとく、という選択肢は最後まで取って置きたかった。

廊下の先に友達と歩いてる芳川を見かけて、すれ違い様に声かけようかな、と思っても、俺を見かけると軌道変更してどっかに消えちゃう…

部活の時間、芳川がトイレとかで部室から出てこないカナー、なんて廊下から覗いてみたり。でも、俺が見てることに気づいたのか、怯えたような怪訝な目でこっちを見てる芳川を見て、や、ダメだ、渡せない…と諦める。何でそんな肉食動物に狙われた小動物みたいな目で俺を見るの…
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