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Backside storys
第4章 芳川 翠 & 玄 徹匠 ー13years agoー
アレから13年経って。
今俺は当時片想いだった芳川翠と結婚の準備を進めてる。
ホント、人生って何があるかわからない。
大学在学中に、アメリカに留学して。
憧れてた写真家がよく行く店ってだけの聞きかじりの情報でバーに通い詰めて。
ヘタクソな英語でアントニオ・フラカッシに会いたい、って言ったら明らかにゲイっぽいマスターに、バチンと音がしそうなウィンクで、任しとけ、て言われて。
でも何日か後にアントニオに会う事ができて。
弟子にして欲しいって言ったら苦笑いされて。きっと嫌がってんだろうな、とは思ったけど、ここまで来てハイそうですかって引き下がれるか、食い下がれるだけ食い下がって、ダメなら諦めようと粘ってみた。
そしたら、肩を竦めて見てあげるから何か作品を持っておいで、と言われて、翌日そのバーで会う約束をした。
アントニオはそれで体良く断るつもりだったみたいなんだけど、体育祭のあの写真を見せた瞬間、アントニオは少し固まった。
何度も瞬きして、暗い室内から、灯りの下に持って行って舐めるように隅々まで写真を見て。その間何も言われなかったから、どういう評価なのか固唾を飲んで待った。
今俺は当時片想いだった芳川翠と結婚の準備を進めてる。
ホント、人生って何があるかわからない。
大学在学中に、アメリカに留学して。
憧れてた写真家がよく行く店ってだけの聞きかじりの情報でバーに通い詰めて。
ヘタクソな英語でアントニオ・フラカッシに会いたい、って言ったら明らかにゲイっぽいマスターに、バチンと音がしそうなウィンクで、任しとけ、て言われて。
でも何日か後にアントニオに会う事ができて。
弟子にして欲しいって言ったら苦笑いされて。きっと嫌がってんだろうな、とは思ったけど、ここまで来てハイそうですかって引き下がれるか、食い下がれるだけ食い下がって、ダメなら諦めようと粘ってみた。
そしたら、肩を竦めて見てあげるから何か作品を持っておいで、と言われて、翌日そのバーで会う約束をした。
アントニオはそれで体良く断るつもりだったみたいなんだけど、体育祭のあの写真を見せた瞬間、アントニオは少し固まった。
何度も瞬きして、暗い室内から、灯りの下に持って行って舐めるように隅々まで写真を見て。その間何も言われなかったから、どういう評価なのか固唾を飲んで待った。