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Backside storys
第4章 芳川 翠 & 玄 徹匠  ー13years agoー
しばらく無言の時間があって。アントニオはマスターに何か言って。
小さなショットグラスが2つ出てきた。
ひとつを手に持って、目の高さに上げ、アイコンタクトされたから俺ももうひとつを持つ。
チン、と、グラスをあわせて一気に煽る。俺も釣られて煽った。
中身はストレートのジン。カッと喉が焼けるような感覚。
一瞬くらりと目眩がして、ゴホッと咳き込んだ俺に、アントニオは破顔して、俺をグッと抱き寄せた。

「ボーイ、コレからヨロシク。」

「…えっと、OK?」

「こんなピュアな写真見たことない。キミと一緒なら、僕もまた新しい世界が見られるかもしれない。」

そして、俺はアントニオに師事して、今に至る。

「あのさぁ、」

いきなり翠に話しかけられる。

「ん?」

「結婚式の招待の事前確認に、久しぶりに高校の時の同級生と連絡取ったのね。」

「うん。」

「色々話してて、ふっと思い出した事があるんだけど。」

「ナニ?」

「高1の時なんだけど。夏前だったと思うんだけどね、屋上で、てっちゃんを見かけた事があって。」

「そう。まぁ、よく昼休み屋上にはいたかも。」

「誰かを死ねって脅したりしたこと、ある?」

「誰が?」

「てっちゃんが…」

「⁉︎ 何で?」

「友達と屋上に上がろうとしたときに、そんな声が聞こえて…」

「俺が居た?」

翠がこくんと頷いた。

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