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真昼の月
第2章 中編
けいぞうは、機械工の主任に泣きつかれたので、しぶしぶと頼みを引き受けることにした。

機械工の主任の男性は『おおきに、助かったよ…』と気安い声で言うて、けいぞうの肩を叩いて休憩室を出て行った。

うちには妻子と未婚の妹と出戻りの姉の家族を抱えているのだよ…

主任は何を考えてうちへ行ってもいいかと聞きにくるのか…

けいぞうは、ヘラヘラとした表情で休憩室から出て行く機械工の主任の男性をにらんだ目つきでながめていた。

休憩室にいた従業員さんたちも、機械工の主任の男性の悪口を口々に言いまくっていた。

休憩室から出て行った機械工の主任は、ものすごくしんどい表情で、電話をしていた。

男性は、受話器ごしにいる姉に『飲食店の予約が取れよ。』と言うて、見苦しいウソをついていた。
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