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第2章 紅玲の憂鬱

「そうよねぇ……」
「それで、紅玲くんは何してるの？」
優奈はフォークをくわえたまま、小首を傾げる。
「お義父さまの借金を返しに、あちこち回ってるみたい」
「それで寂しくて、私を呼んだんだ？」
ニヤニヤしながら言う優奈に、千聖は頬を染めて目をそらす。

「千聖も可愛いとこあるじゃん。いいよ、紅玲くんが帰ってくるまで、一緒におしゃべりしてよ」
「ありがとう、優奈」
「いいのいいの、前は私が千聖のこと散々呼びつけてたんだから。この前ね、可愛いお酒見つけたの。後で一緒に呑もうよ」
優奈はスマホで、丸い瓶の中にピンク色の酒と薔薇が入った酒の画像を見せる。
「美味しそう。そう言えば私も、美味しそうなおつまみ見つけたのよね」
ふたりは気になっていたものを見せ合いながら、宅呑みの予定を決めていった。