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独占欲に捕らわれて*Regret
第2章 紅玲の憂鬱
「確かに、ちょっと前の優奈はワガママだったけど、なんか許せちゃったのよね」
「前はよく、千聖のこと連れ回したもんねー……。ロリータ着てると周りが勝手に私のイメージを固めていくの。王子様に憧れてるとか、彼氏いないと死んじゃう病とか。とにかくふわふわした夢みる乙女って感じの。今まではそれに流されて生きてたから、いい加減自分らしく生きようって」
「それは素敵なことね。そう思うようになったきっかけは?」
「まだ秘密」
そう言って優奈は、イタズラっ子のように舌を出す。
「まだってことは、いずれ話してくれるのかしら? それにしても、優奈がそんな憧れを持ってたのは意外だったわ……」
「私自身、それを思い出したのつい最近なんだけどね。今までは、ぶりっ子ロリータがすっかり板についちゃってたから。私の話はここまででいいとして、千聖こそどうしたの? 家に私を招くなんて、結婚してから初めてじゃない?」
優奈の言う通り、千聖はこの家に彼女を招いたことがない。それどころか、結婚してからは特に会うこと自体が極端に減ってしまった。
「うーん……、実は紅玲が大変なことになったというか……」
「もしかして、紅玲くんのお父さん? クレアシオンホールディングスの社長さんだったんでしょ?」
どこまで言っていいか分からず、言葉を選んでいると、優奈が当てた。
「どうして分かったの?」
「だって、鈴宮社長有名だもん。大手社長だなんて誤魔化すような言い方してても、すぐ分かっちゃうよ」
優奈の説明に、納得するのと当時に感心する。
「何気ニュースも見てるのね」
「ロリータだって社会人だもん。それに、クレアシオンホールディングスの倒産って結構話題になってたし」
「まぁ、確かに……。でもあれ、どうして倒産になったのかよく分からないのよね……。1、2年くらい前から傘下の中小企業が抜けてたのは知ってたけど……」
「分かんない」
優奈は投げやりに言うと、ケーキを頬張った。
「前はよく、千聖のこと連れ回したもんねー……。ロリータ着てると周りが勝手に私のイメージを固めていくの。王子様に憧れてるとか、彼氏いないと死んじゃう病とか。とにかくふわふわした夢みる乙女って感じの。今まではそれに流されて生きてたから、いい加減自分らしく生きようって」
「それは素敵なことね。そう思うようになったきっかけは?」
「まだ秘密」
そう言って優奈は、イタズラっ子のように舌を出す。
「まだってことは、いずれ話してくれるのかしら? それにしても、優奈がそんな憧れを持ってたのは意外だったわ……」
「私自身、それを思い出したのつい最近なんだけどね。今までは、ぶりっ子ロリータがすっかり板についちゃってたから。私の話はここまででいいとして、千聖こそどうしたの? 家に私を招くなんて、結婚してから初めてじゃない?」
優奈の言う通り、千聖はこの家に彼女を招いたことがない。それどころか、結婚してからは特に会うこと自体が極端に減ってしまった。
「うーん……、実は紅玲が大変なことになったというか……」
「もしかして、紅玲くんのお父さん? クレアシオンホールディングスの社長さんだったんでしょ?」
どこまで言っていいか分からず、言葉を選んでいると、優奈が当てた。
「どうして分かったの?」
「だって、鈴宮社長有名だもん。大手社長だなんて誤魔化すような言い方してても、すぐ分かっちゃうよ」
優奈の説明に、納得するのと当時に感心する。
「何気ニュースも見てるのね」
「ロリータだって社会人だもん。それに、クレアシオンホールディングスの倒産って結構話題になってたし」
「まぁ、確かに……。でもあれ、どうして倒産になったのかよく分からないのよね……。1、2年くらい前から傘下の中小企業が抜けてたのは知ってたけど……」
「分かんない」
優奈は投げやりに言うと、ケーキを頬張った。