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第3章 真相探求

「大事なデータが！」
「言っとくけど、オレはこの社長さんの息子なんかじゃない。借金取りだ。あんたみたいなのが近くでウロウロしてると、仕事がやりにくいんだよ。営業妨害で骨折したくなけりゃ、もう二度と社長さんに近づくな。他の連中にも伝えときなよ、ハイエナさんよ」
紅玲が遠くにハンディカムを遠くに投げると、記者は死に物狂いで取りに行く。
「さ、鈴宮さん。どう返済してくれるのか、お宅でじっくり聞かせてもらいましょうか」
「あ、あぁ……」
紅玲が背中を押しながら言うと、晶久は困惑しながらも紅玲を部屋に入れた。

「あーあ、やっぱり当たりだ……」
部屋に入って早々、紅玲はうんざりしたように声を荒らげる。
「まさか１日で2回も助けられるとはな……。しかし、当たりというのはどういうことだ？」
「クレアシオンホールディングス潰しだよ。ニュース見ててさ、なーんか作為を感じてたんだよねぇ。というか、父さんも黒川が怪しいって思ってるんじゃないの？」
図星を突かれ、晶久は言葉を詰まらせる。

「そうそう、オレ何も知らないで前の家に行ったら黒川が住んでてさ。父さんがこのアパートに住んでるってことを教えてくれたの、黒川なんだよねぇ」
「お前、黒川に会ったのか！？」
晶久は目を見開き、紅玲をじっと見る。
「うん、会ったよ。それでいい機会だから、あえて素性を明かしたんだ。そしたらすぐに記者が動いて、父さんのところに来てたってわけ。ねぇ、２年くらい前から下世話な週刊誌に叩かれてたけど、あれって全部嘘なんでしょ？」
紅玲に問われても、晶久は俯いて怒りに震えるだけだ。

「クレアシオンホールディングスが危うくなったのはだいたい１年半くらい前から。傘下の子会社が不祥事を起こしたり、傘下から抜けたり……。おかげでクレアシオンホールディングスは大打撃。更にはクレアシオンホールディングス自身でも横領事件が発覚。いくらなんでも、おかしいでしょ」
「紅玲、お前は何をどこまで知っているんだ？」
晶久は訴えかけるような眼差しで、紅玲を見る。