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独占欲に捕らわれて*Regret
第3章 真相探求
「オレはまだ、大して掴めてないよ。今回の倒産は作為を感じるってだけ。さっきの記者の動きからして、週刊誌と黒川が繋がってるのは分かったけど、証拠はない。何か手を打たなきゃいけないんだうけど、何から始めようか悩んでる」
「もうこれ以上、何もしなくていい……」
「どうして?」
振り絞るように言う父に、紅玲は不思議そうに小首を傾げる。
「どうしてだと? それはこっちのセリフだ。俺はお前に父親らしいことを、一切してこなかった。冷たく当たって、幼いお前に無理ばかりさせて倒れても、看病なんかしなかったんだぞ? 挙句の果てにはお前に見放されていると分かっていながら、会社が危うくなってお前に泣きすがって……。こんなロクでもない俺を、どうして助けたがるんだ?」
晶久は全てを吐き出すように一気に言うと、肩で息をする。
「そりゃあ父さんのことは憎いよ? でも、どうしても嫌いになりきれないっていうかさ……。父さんがオレに頼ってきた時、すごく腹立たしかった。その反面、ちょっと嬉しかったんだ」
「嬉しい? どうしてだ?」
晶久の問いに、紅玲は静かに首を横に振る。
「分からないよ。でも、今助けないと後悔することだけは確かだから、こうして助けたいと思ってる。本当に申し訳ないって思ってるなら、このまま大人しく助けられてよ」
「紅玲……」
「ね、未払いの公共料金の紙、ちょうだい。今回はそれを取りに来たんだから」
紅玲は手を出しながら、少し眠そうに言う。
「だが……」
「大人しく助けられてって、さっき言ったでしょ?」
「あぁ、すまない……。ありがとう」
紅玲が苛立たしげに言うと、晶久は小さく笑いながら、タンスの引き出しから公共料金の支払い用紙を紅玲に手渡す。
「ありがと。明日って予定ある?」
「朝8時から夕方5時まで、日雇いバイトをする予定だ」
「そっか。じゃあさ、明日夕方6時に迎えに来るから荷物まとめて待ってて。じゃあね」
紅玲は立ち上がると、晶久が止めるのを聞かずに部屋を出た。
「もうこれ以上、何もしなくていい……」
「どうして?」
振り絞るように言う父に、紅玲は不思議そうに小首を傾げる。
「どうしてだと? それはこっちのセリフだ。俺はお前に父親らしいことを、一切してこなかった。冷たく当たって、幼いお前に無理ばかりさせて倒れても、看病なんかしなかったんだぞ? 挙句の果てにはお前に見放されていると分かっていながら、会社が危うくなってお前に泣きすがって……。こんなロクでもない俺を、どうして助けたがるんだ?」
晶久は全てを吐き出すように一気に言うと、肩で息をする。
「そりゃあ父さんのことは憎いよ? でも、どうしても嫌いになりきれないっていうかさ……。父さんがオレに頼ってきた時、すごく腹立たしかった。その反面、ちょっと嬉しかったんだ」
「嬉しい? どうしてだ?」
晶久の問いに、紅玲は静かに首を横に振る。
「分からないよ。でも、今助けないと後悔することだけは確かだから、こうして助けたいと思ってる。本当に申し訳ないって思ってるなら、このまま大人しく助けられてよ」
「紅玲……」
「ね、未払いの公共料金の紙、ちょうだい。今回はそれを取りに来たんだから」
紅玲は手を出しながら、少し眠そうに言う。
「だが……」
「大人しく助けられてって、さっき言ったでしょ?」
「あぁ、すまない……。ありがとう」
紅玲が苛立たしげに言うと、晶久は小さく笑いながら、タンスの引き出しから公共料金の支払い用紙を紅玲に手渡す。
「ありがと。明日って予定ある?」
「朝8時から夕方5時まで、日雇いバイトをする予定だ」
「そっか。じゃあさ、明日夕方6時に迎えに来るから荷物まとめて待ってて。じゃあね」
紅玲は立ち上がると、晶久が止めるのを聞かずに部屋を出た。