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独占欲に捕らわれて*Regret
第5章 平穏へ
翌日8時半、千聖は重い瞼をゆっくり持ち上げる。珈琲の香りが鼻腔をくすぐり、思わず頬が緩む。
「チサちゃん、起きた?」
愛しい人の柔らかな声に呼ばれ、躯を起こすと紅玲と目が合う。
「おはよう、紅玲」
「おはよう、チサちゃん。とりあえず珈琲淹れといたよ。といっても、ホテルのだけどね。朝ごはんはどうする? ここで注文してもいいし、外食でもいいよ。もちろん、帰宅して食べるっていうのもね。チサちゃんが食べたいもの、なんでも作ったげる」
選択肢は沢山あるように見えるが、千聖にとっては一択だ。
「帰ってあなたが作ったものが食べたいわ。なんだか最近、あまり紅玲の手料理を食べてない気がするの。恋しくなっちゃった」
「ホント、可愛いこと言うよね。チサちゃんはオレが喜ぶ言葉、全部言ってくれる」
紅玲は千聖を抱き寄せて頬にキスをすると、彼女を抱き上げてソファに座る。そのまま千聖を膝の上にのせると、ふたつ並ぶ珈琲カップを指さした。
「左がチサちゃんのだよ」
千聖はふたつの珈琲カップを手に取ると、ブラック珈琲を紅玲に渡し、ミルクと砂糖が入っているであろう珈琲をに息を2、3吹きかけて冷ますと、ひと口飲んだ。珈琲は千聖が思っていたよりもぬるく、飲みやすい。
「そういえば紅玲って、甘党なのに珈琲はブラックよね」
「甘いものを食べながら甘いものを飲むと、気持ち悪くなるからねぇ。それにブラックの方が、甘いものを美味しく食べられるし」
「なるほどね。ねぇ、珈琲飲んだらすぐに帰るの?」
「そのつもりだけど、どこか行きたいところでもあるの? それとも、もう少しゆっくりしたい?」
紅玲の問いに、千聖は首を横に振る。
「そういうわけじゃないわ、なんとなく聞いただけ」
「そっか」
紅玲は珈琲を飲み干すと、珈琲カップをテーブルに置いて千聖を抱きしめる。
「どうかしたの?」
いつもと違う様子に、千聖は心配になって彼の顔を見ようとするが、あごを肩にのせられているので見ることができない。
「チサちゃん、起きた?」
愛しい人の柔らかな声に呼ばれ、躯を起こすと紅玲と目が合う。
「おはよう、紅玲」
「おはよう、チサちゃん。とりあえず珈琲淹れといたよ。といっても、ホテルのだけどね。朝ごはんはどうする? ここで注文してもいいし、外食でもいいよ。もちろん、帰宅して食べるっていうのもね。チサちゃんが食べたいもの、なんでも作ったげる」
選択肢は沢山あるように見えるが、千聖にとっては一択だ。
「帰ってあなたが作ったものが食べたいわ。なんだか最近、あまり紅玲の手料理を食べてない気がするの。恋しくなっちゃった」
「ホント、可愛いこと言うよね。チサちゃんはオレが喜ぶ言葉、全部言ってくれる」
紅玲は千聖を抱き寄せて頬にキスをすると、彼女を抱き上げてソファに座る。そのまま千聖を膝の上にのせると、ふたつ並ぶ珈琲カップを指さした。
「左がチサちゃんのだよ」
千聖はふたつの珈琲カップを手に取ると、ブラック珈琲を紅玲に渡し、ミルクと砂糖が入っているであろう珈琲をに息を2、3吹きかけて冷ますと、ひと口飲んだ。珈琲は千聖が思っていたよりもぬるく、飲みやすい。
「そういえば紅玲って、甘党なのに珈琲はブラックよね」
「甘いものを食べながら甘いものを飲むと、気持ち悪くなるからねぇ。それにブラックの方が、甘いものを美味しく食べられるし」
「なるほどね。ねぇ、珈琲飲んだらすぐに帰るの?」
「そのつもりだけど、どこか行きたいところでもあるの? それとも、もう少しゆっくりしたい?」
紅玲の問いに、千聖は首を横に振る。
「そういうわけじゃないわ、なんとなく聞いただけ」
「そっか」
紅玲は珈琲を飲み干すと、珈琲カップをテーブルに置いて千聖を抱きしめる。
「どうかしたの?」
いつもと違う様子に、千聖は心配になって彼の顔を見ようとするが、あごを肩にのせられているので見ることができない。