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ハイパーテクニックおじいちゃん
第3章 イチョウの木
気がつけば季節も変わっていた。
上着一枚羽織る程度では風邪をひいてしまう、冬本番になっていた。
その日、真斗の影を追うかの様に玄関の外へ出た美里は、マンションの共有スペースから見えるイチョウの木を眺めていた。
紅葉がだいぶ進んで、今にも葉を落としてしまいそうな木である。
真斗に憧れ、いつも目で追っていた。
彼はそれに気がついたのか、ある日、私に声をかけてくれて、デートをするようになった。
三回目のデートには肉体関係になり、苦痛な水曜日が始まるように。
それから、会社を辞め、数ヶ月水曜日のデート……。
いつも真斗に言われるがまま。
自分は黙ってついて行っただけ。
何も言えなかった自分。
何故、言えなかったのだろう。
何を恐れていたのか。
イチョウの深い黄色の葉を見ながら考えていると、ふと、人の気配を感じた。
上着一枚羽織る程度では風邪をひいてしまう、冬本番になっていた。
その日、真斗の影を追うかの様に玄関の外へ出た美里は、マンションの共有スペースから見えるイチョウの木を眺めていた。
紅葉がだいぶ進んで、今にも葉を落としてしまいそうな木である。
真斗に憧れ、いつも目で追っていた。
彼はそれに気がついたのか、ある日、私に声をかけてくれて、デートをするようになった。
三回目のデートには肉体関係になり、苦痛な水曜日が始まるように。
それから、会社を辞め、数ヶ月水曜日のデート……。
いつも真斗に言われるがまま。
自分は黙ってついて行っただけ。
何も言えなかった自分。
何故、言えなかったのだろう。
何を恐れていたのか。
イチョウの深い黄色の葉を見ながら考えていると、ふと、人の気配を感じた。