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第13章 夕食

炊飯器から、ご飯が炊き上がったチャイムが鳴った。
その音で、美里は現実に戻された気がした。
「カレーライス作ったんですけど、食べますか？」
「おぉ、いいのかい？ 昼間、美味しそうな匂いしてたもんねぇ」
気がついていたのか。
軽くシャワーを浴び、服を着て、カレーライスを盛り付ける。
美里がカレーの準備中、寛はシャワーを浴びた。
寛の口に合うかどうか心配だったが、満面の笑みで食べてくれた。
「家でカレーなんて食べないもんなぁ。ホント美味しいよ」
ペロリと食べ終わる。
「また今度、おじさんにご飯作ってもらえるかな？」
そのセリフに、美里は驚いた。
先程「俺に惚れるな」と言ったのに、ご飯は作って欲しいのか。
正直言って、美里は料理が得意ではない。
自分一人の夕食は、お惣菜で済ませる口だ。
まぁ、独り身で寂しい老人が、家庭料理を食べたいと言っている訳だし、自分も料理の腕を上げる機会だと思い、了承した。