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ハイパーテクニックおじいちゃん
第14章 外食
駅前の裏通りから、更に細い路地へ入る。
美里は普段、駅前はメインストリートしか通らない。
大概の買い物はそこで済むからだ。
寛に案内されたそこは飲屋街で、美里のような若い女性は近づかないような場所だった。
暖簾が掛かった引き戸をガラガラと開けると、割烹着を着た少し小綺麗な年配女性が声をかける。
「あら、いらっしゃい」
この店の女将のようだ。
パッと見、カウンター席しかない。
奥をよく見ると、二階へ続く階段があった。
二人は入ってすぐのカウンター席に着くと、おしぼりを渡しに来た女将に再び声をかけられた。
「今日は若いお嬢さん連れで。娘さん?」
「違うよ」
寛が答える。
「え、お孫さんじゃないわよね?」
「俺に子供はいないよ。彼女だよ、カ、ノ、ジョ」
……え、彼女。
美里は耳を疑った。
女将も「まあ」と声を上げ、やや嫉妬の様な目つきで美里を見る。
「彼女さん?」
そう声をかけられると、苦笑いするしかなかった。
……いつの間に彼女になったんだ。
確かにセックスはしたし、毎週の様にお部屋デート状態ではあるが、「好きだ」とも「付き合おう」とも言われてはいない。
メニューを見ながら、モヤモヤと考えていた。
美里は普段、駅前はメインストリートしか通らない。
大概の買い物はそこで済むからだ。
寛に案内されたそこは飲屋街で、美里のような若い女性は近づかないような場所だった。
暖簾が掛かった引き戸をガラガラと開けると、割烹着を着た少し小綺麗な年配女性が声をかける。
「あら、いらっしゃい」
この店の女将のようだ。
パッと見、カウンター席しかない。
奥をよく見ると、二階へ続く階段があった。
二人は入ってすぐのカウンター席に着くと、おしぼりを渡しに来た女将に再び声をかけられた。
「今日は若いお嬢さん連れで。娘さん?」
「違うよ」
寛が答える。
「え、お孫さんじゃないわよね?」
「俺に子供はいないよ。彼女だよ、カ、ノ、ジョ」
……え、彼女。
美里は耳を疑った。
女将も「まあ」と声を上げ、やや嫉妬の様な目つきで美里を見る。
「彼女さん?」
そう声をかけられると、苦笑いするしかなかった。
……いつの間に彼女になったんだ。
確かにセックスはしたし、毎週の様にお部屋デート状態ではあるが、「好きだ」とも「付き合おう」とも言われてはいない。
メニューを見ながら、モヤモヤと考えていた。