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ど腐れたラブの物語【完結】
第2章 その1
その1
ある初秋の晴れた日…。
水路沿いの遊歩道で、北野マユミはすれ違った中年の男に呼び止められた。
「あなた…、ちょっと、いいですか?」
「何でしょうか?」
「ぶしつけだが、忠告させてもらいます。先に言っとくけど、自分には人の行動とかをピンと当てる能力がありまして。…あなた、勤め先の金、着服してるはずだ」
「!!!」
正にいきなりであった…。
ガタイがしっかりした野暮ったいその男は、全く躊躇することなく、そのものズバリの直言だった。
もう、マユミの驚きようよきたら、心臓が停止するほどであった。
なぜならば、男の言う通りだったのだから…。
***
「…今、面と向かって、更にわかったことがある。その金、男に渡すためですね?お相手は、ホストじゃないですか?」
「…」
”なんで‥?何なの!どうしてわかるのよ…、初めて会ったこの人に…??”
マユミは頭が混乱していたが、まずもっては”この疑問”に行きついていた。
「…理屈抜きにわかっちゃうんです、オレには。その辺を説明すると長くなるから、今は省略して手っ取り早く言います。…こっちの要求を呑んでくれれば、全部黙ってますよ。たぶん、次の給料が入るまでの流用だろうから、その間バレばきゃ済んじゃうんでしょう。だが、アンタが突っぱねれば、会社に垂れ込む。勤め先も承知してるし」
「あなた‥、どうして…!!」
マユミはどうしても言葉がスムーズに出ない。
ある初秋の晴れた日…。
水路沿いの遊歩道で、北野マユミはすれ違った中年の男に呼び止められた。
「あなた…、ちょっと、いいですか?」
「何でしょうか?」
「ぶしつけだが、忠告させてもらいます。先に言っとくけど、自分には人の行動とかをピンと当てる能力がありまして。…あなた、勤め先の金、着服してるはずだ」
「!!!」
正にいきなりであった…。
ガタイがしっかりした野暮ったいその男は、全く躊躇することなく、そのものズバリの直言だった。
もう、マユミの驚きようよきたら、心臓が停止するほどであった。
なぜならば、男の言う通りだったのだから…。
***
「…今、面と向かって、更にわかったことがある。その金、男に渡すためですね?お相手は、ホストじゃないですか?」
「…」
”なんで‥?何なの!どうしてわかるのよ…、初めて会ったこの人に…??”
マユミは頭が混乱していたが、まずもっては”この疑問”に行きついていた。
「…理屈抜きにわかっちゃうんです、オレには。その辺を説明すると長くなるから、今は省略して手っ取り早く言います。…こっちの要求を呑んでくれれば、全部黙ってますよ。たぶん、次の給料が入るまでの流用だろうから、その間バレばきゃ済んじゃうんでしょう。だが、アンタが突っぱねれば、会社に垂れ込む。勤め先も承知してるし」
「あなた‥、どうして…!!」
マユミはどうしても言葉がスムーズに出ない。