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花タクシー【完結】
第7章 艶の宴始まる
「タカコちゃん、どうしたの?あなたも奧山さんの感じるとこ、触ってあげなきゃダメよ」


案の定、助手席からこちらを伺っていたりりかが、タカコにハッパをかけた。


「ええ‥」


彼女が明らかに戸惑っていたのは、ひしひしと伝わってきた。


”まあ、この女子には場違いだよ。”この先”に躊躇を禁じ得ないんだろうな…”


この時のオレは既にタカコを見切っていた。


***


で…、オレは敢えて、タカコを無視していたんだ。


この、今一掴みどころのない花タクシーとやらの展開を、生存競争の激しい水商売の世界で身を立ててきたであろう、このりりかというやり手の女が、客から3万を受け取ってどう仕切るか…。


”りりかを試してやる…”


そんな気持ちだったな。


タカコはオレの左足の太もも辺りを”さすって”いたよ。
それはとても男を”触る”…、ではなかったな(苦笑)。
すると‥。


***


「なにやってんのよ、タカコちゃん。キヨエみたいにもっとちゃんと触りなさいよ!」


こういった場面において、りりかのような女性は厳しい。
オレは心の中で、”さすがだな”と、ある意味敬意を表したよ。


「奧山さん、キヨエばかりに夢中になってないで、タカ子ちゃんも触ってやってよ」


りりかはそう出てきたか…。
ならば…。


オレはここで方向転換を計った。






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