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花タクシー【完結】
第3章 怪しいタクシーゾーン
「なんか、面白そうだな。これも社会経験だし、オレ、行きますわ。金額を前もって聞いて、無理そうなら辞めりゃいいし」


その際、彼はこうつぶやいていた。
そしたら、オレの後ろの見た目20代の男も、「じゃあ、オレも行ってみるか…」と、なんかちょっと口元をほころばせて、足早に最初の男を追っかけて行ってね…。


この間、列に並ぶ女性たちは、もう不機嫌、いや、不快感極まる顔つきで憮然とした様子だったわ。皆…。
当たり前だけど…(苦笑)。


***



それで…、オレを含め、男連中は言うまでもなく、志願組2名の様子を興味深く目で追の…。
二人とも、車外から身振り手振りを交えなにならやり取りして、程なく車に乗り込んでしまったんだ。


その車がロータリーを回る際、ドア側の若い女は、我々タクシー待ちの列に手を振っていたっけ。


「よし!オレもいこうっと…」


「オレ達もいこうぜ」


タクシー待ちの列からは、こんな男の声が次々と耳に届いてね。
その二陣がすんなり”あっち”の車に乗り込むのを確認して、私は無言で列を抜けた訳…。


とにかくあのまま順番を待っていたら、乗るの、一時間以上確実だって…。







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