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異常行動が日常行動のオンナ【完結】
第5章 テンションショック
その3



「勝股ちゃん、起きてる?」


『ああ、はは…、起きてますよ。いや‥、まあ、じゃあ光物ってことなら、ナイフか包丁か…。そんなところを持たせればいいですかね?』


「ちょっと無難ぎるわね、それじゃあ。まあ、チェーンソーってのもインパクトあっていいんだけど、音だけって感じもねえ…」


「じゃあ、氷子さん的にはどんな?」


「ノミとかキリとかアイスピックとか…。まあ、鋭利な視覚で訴えるシンプルものでいいのよ。要は色々揃えて、バリエーションをターゲットに目で訴えると…」


『…』


「でね…。私としては、ハサミね。植木職人が使う巨大なアレ。どう?用意できるかしら?」


『はあ、まあ…。でも、それ、本気でちょん切る訳じゃあないですよね?』


「あのねえ…、すべては状況次第よ。私に限らず、街中でいきなりピストル付きつけてこられて身の危険感じたらさ、そばに包丁あればチンポちょん切るでしょ、フツー」


『!!!』


もう勝股は目まいがする思いだった…。


***


『わかりました。持たせますんで、なるべく冷静にお願いしますよ。で…、大変いいずらいんですが、ことが公になってサツにパクられるのはあなたで留めて欲しい…』


「まあ!何ともはっきりってくれたわね、アンタ」


『いえ、これはやはり、自分も立場がありますんで…。そう言うことで了解願いたいですね』


「…」


『あの…』


「大丈夫よ。今さらキレないわよ。今の私はあんた達みたいな輩、もう眼中にないわ。利害関係を全うしましょう」


『ええ、異存はないですよ』


”クソ野郎が!勝股はギリギリ目こぼししてやるわ。こうして女の私を最後まで立てて力添えしてくれたんだしね。この男がいなかったら、私はとっくに然るべき連中のワナの沼底に沈んでいたか、ブタ箱の中よ。ハハハ…、あっちも今日はある意味テンバッていたようだしね”


この夜の氷子は、欲情したマ○コに絶頂を与えることもなく、最後は何とか機嫌が戻ったようだった。
このイカレ者には誠に珍しいことであったが、桜木ケンへの屈折した執着心が、ある意味でときめき感を彼女に生んだのかも知れない…。





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