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異常行動が日常行動のオンナ【完結】
第6章 マッド・カウントダウン
その2
夕方5時半…。
郡ツグミは、会社帰りの桜木兄と駅前の喫茶店で会った。
「…桜木さん、本当よ!あなたを殺るつもりだってはっきり言ってた。それももう間近だって。これは確信よ!」
「まあ、落ち着けよ、ツグミちゃん。話がよくわかんないよ。裁判だってまだ始まってないし、これからなんだよ。なのに…」
「だから!お姉ちゃんには裁判の結審なんて、全然関心ないんだってば!」
声の大きさは抑えていたが、ツグミは前のめりになって、実質怒鳴ってるモードであった。
***
「…じゃあ、何かい?お姉さんはこのままだと、人を殺したくて自分を抑えきれないから、一緒に住んでるツグミちゃんを殺しちゃうことになる。だから、代わりを探してた。それで、やっとその獲物を見つけた。それがおじさんだって言うのか?それも、手を下すのはすぐだと…」
「そんなとこですよ。でも、難癖つけて裁判相手にした人たちは、みんな法の裁きで冷静に対応されちゃって、ラチあかないって。それでいよいよ、家の近に住むあなたに目を付けたんです!でも、それには理由があったんです…」
「…」
「…初めてだったんです、お姉ちゃんがそんなこと話すのは。2度とは言わないから、今日話した意味をよく考えろって、そう言ったんです、私に」
ツグミは、熱意と危機感を込めて説明と説得に必死となっていた。
***
「…いいですか、おじさん。お姉ちゃんは全部知ってたんです。ケンが私を”アレ”した相手だってことも。それで、その兄であるあなたをピックアップした。あの女、言ってましたよ。いくら何でも人をぶっ殺すのには、モチベーションとシチュレーションが整っていなくちゃ、さすがの私も迷いが出るって。明らかにイカレた論拠ですけど…」
「じゃあ、妹を汚した同級生の兄弟なら、そのモチベーションも高められるから、俺に狙いを…」
「まあ、そんなところです。ホントは他にも理由はありますが…。だから、とにかく家に連れてってください!私は血を分けた姉とは、完全に敵になる決心したんですよ!」
「わかった。なら、急ごう…」
桜木はテーブルのレシートをマッハのスピードで掴むと、私ツグミの手を引っ張り喫茶店を後にした…。
そしてちょうどその頃…。
もう一方の姉の郡氷子も、ついに行動を起こそうとしていた…。
夕方5時半…。
郡ツグミは、会社帰りの桜木兄と駅前の喫茶店で会った。
「…桜木さん、本当よ!あなたを殺るつもりだってはっきり言ってた。それももう間近だって。これは確信よ!」
「まあ、落ち着けよ、ツグミちゃん。話がよくわかんないよ。裁判だってまだ始まってないし、これからなんだよ。なのに…」
「だから!お姉ちゃんには裁判の結審なんて、全然関心ないんだってば!」
声の大きさは抑えていたが、ツグミは前のめりになって、実質怒鳴ってるモードであった。
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「…じゃあ、何かい?お姉さんはこのままだと、人を殺したくて自分を抑えきれないから、一緒に住んでるツグミちゃんを殺しちゃうことになる。だから、代わりを探してた。それで、やっとその獲物を見つけた。それがおじさんだって言うのか?それも、手を下すのはすぐだと…」
「そんなとこですよ。でも、難癖つけて裁判相手にした人たちは、みんな法の裁きで冷静に対応されちゃって、ラチあかないって。それでいよいよ、家の近に住むあなたに目を付けたんです!でも、それには理由があったんです…」
「…」
「…初めてだったんです、お姉ちゃんがそんなこと話すのは。2度とは言わないから、今日話した意味をよく考えろって、そう言ったんです、私に」
ツグミは、熱意と危機感を込めて説明と説得に必死となっていた。
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「…いいですか、おじさん。お姉ちゃんは全部知ってたんです。ケンが私を”アレ”した相手だってことも。それで、その兄であるあなたをピックアップした。あの女、言ってましたよ。いくら何でも人をぶっ殺すのには、モチベーションとシチュレーションが整っていなくちゃ、さすがの私も迷いが出るって。明らかにイカレた論拠ですけど…」
「じゃあ、妹を汚した同級生の兄弟なら、そのモチベーションも高められるから、俺に狙いを…」
「まあ、そんなところです。ホントは他にも理由はありますが…。だから、とにかく家に連れてってください!私は血を分けた姉とは、完全に敵になる決心したんですよ!」
「わかった。なら、急ごう…」
桜木はテーブルのレシートをマッハのスピードで掴むと、私ツグミの手を引っ張り喫茶店を後にした…。
そしてちょうどその頃…。
もう一方の姉の郡氷子も、ついに行動を起こそうとしていた…。