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異常行動が日常行動のオンナ【完結】
第6章 マッド・カウントダウン
その4



3人の桜木ケン捕獲の首尾は実に完結であったが、それは郡氷子の綿密な用意周到の成した綿密な事前リサーチに裏付けされていた。


”ケン坊は自宅まで約700Mのコンビ二Fで寄り道のあと、必ず一人で2車線の歩道整備された直線道路を200M歩いた後、車の通行できない路地に入る。その直前に割かし人通りが少ない変則T字路がある。さびれた公園と廃屋状態の店舗が向かいあって、車の停車にも都合がいい。獲物はここで捕獲する…”


この日、桜木ケンがバスケットボールの部活があるのを承知していた郡氷子はケンの捕獲実行地点で板垣と藤森、そしてピンポイントでの役目を任じられたヨシキと共に、コンビニFに駐車したワゴン車の中て最終打合せを交わしていた。


”よし…。あらかじめ板垣らにはビシッとかましておいたから、みんないいいみ具合に緊張してるわね。さあ、クライマックスの舞台は幕が上がったわ…”


この時点、こう心の中でつぶやく郡氷子のメンタル面は、言わばワクワク感を抱いていた…。
そして、概ね予測時間通り、ターゲットはやってきた。


***


「ああ、あなた、桜木ケンさんですよね?」


「ええ、そうっすけど…。何か?」


「自分、郡ツグミさんに遣わされた者です。その先でやばい連中があなたを待ちぶせしてるなんだ。たぶん、数か月前バリカンで頭を刈ったふたりです」


「…」


兄と違って頭の回転がいいケンはすぐにコトの全容が掌握できた。
ツグミからは事前に姉の魔手が迫っているらしいと、注意を促すがされていたのだ。
今日にも妹のケータイから番号を盗まれたらしい件のスマホに連絡が入るかもしれないと…。


なので、この時間帯は一時的にケータイの電源を切っておくようにツグミから指示されて、連絡の取れないツグミが人を放って危険を知らせてきたという見立てはつじつまがあった。


***

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