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異常行動が日常行動のオンナ【完結】
第2章 猟奇マックスへ
その1
”あの女のベールを剥がすのが恐い…”
桜木正樹の本心は、これ以上あの女のことなだど知りたくはない…。
そういうことであった。
最初は驚きの域で留まっていたが、今では身の毛がよだつ恐怖を感じるところまで達した。
そのため、彼はろくに眠れない夜が続いている。
何しろ、彼が知った郡氷子の”今まで”…、それはまさにおぞましい限りと言うほかなかった。
***
桜木はリサーチ機関で氷子の尋常ない素性を知り得たのだが…。
その結果はすさまじいのものだった。
なんと氷子は現在、刑事事件を含んで11件の裁判を抱えている仰天事実が判明したのだ。
その”中身”は恐喝・暴行を含む、いわゆるその筋系の定番事案がほとんどであった。
”普通じゃないって!ロックスを殺した動機だってわかりゃあしない。気まぐれか、他に何か目論見があったのか…。少なくとも偶然じゃない気がする…”
何より桜木を不安に駆りたてたのは、このとんでもない訴訟相手が、意識的に自分をターゲットとしていたのではないかという疑念だった。
だとしたら、その狙いとは一体…。
***
ここで彼をさらなる不安感にさらしたのが、周辺調査で明らかになった郡氷子の妹の存在だった。
ツグミという今年中学2年になったその子は、腹違いの弟、ケンと同じ中学の同級生だったのだ。
しかも、ケンはツグミとある”過去”を共有していたようなのだ。
”1学期にケンが女子生徒の体をいたずらしたらしいと、学校から告げられたことがあったが、その相手の子はおそらく郡ツグミだろう…。仮に、それを姉の氷子が知っていたとしたら…”
桜木正樹は、決心した。
”妹のツグミと会ってこよう…。可能な限り聞きだすんだ、姉のことを…。すでに死んでいる両親のこと、ケンとのこととかを…。せめて、妹はマトモでありますように…”
”あの女のベールを剥がすのが恐い…”
桜木正樹の本心は、これ以上あの女のことなだど知りたくはない…。
そういうことであった。
最初は驚きの域で留まっていたが、今では身の毛がよだつ恐怖を感じるところまで達した。
そのため、彼はろくに眠れない夜が続いている。
何しろ、彼が知った郡氷子の”今まで”…、それはまさにおぞましい限りと言うほかなかった。
***
桜木はリサーチ機関で氷子の尋常ない素性を知り得たのだが…。
その結果はすさまじいのものだった。
なんと氷子は現在、刑事事件を含んで11件の裁判を抱えている仰天事実が判明したのだ。
その”中身”は恐喝・暴行を含む、いわゆるその筋系の定番事案がほとんどであった。
”普通じゃないって!ロックスを殺した動機だってわかりゃあしない。気まぐれか、他に何か目論見があったのか…。少なくとも偶然じゃない気がする…”
何より桜木を不安に駆りたてたのは、このとんでもない訴訟相手が、意識的に自分をターゲットとしていたのではないかという疑念だった。
だとしたら、その狙いとは一体…。
***
ここで彼をさらなる不安感にさらしたのが、周辺調査で明らかになった郡氷子の妹の存在だった。
ツグミという今年中学2年になったその子は、腹違いの弟、ケンと同じ中学の同級生だったのだ。
しかも、ケンはツグミとある”過去”を共有していたようなのだ。
”1学期にケンが女子生徒の体をいたずらしたらしいと、学校から告げられたことがあったが、その相手の子はおそらく郡ツグミだろう…。仮に、それを姉の氷子が知っていたとしたら…”
桜木正樹は、決心した。
”妹のツグミと会ってこよう…。可能な限り聞きだすんだ、姉のことを…。すでに死んでいる両親のこと、ケンとのこととかを…。せめて、妹はマトモでありますように…”