この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異常行動が日常行動のオンナ【完結】
第8章 姉と妹の決着/イカレ勝ちしたもの
その2
ツグミが桜木家に到着したのは、夜6時前だった。
「ウチの親は転勤族でね。オヤジは今、海外なんだ。母はオレの方もケンの方も早死にでさ。要は、君たち姉妹と一緒で兄弟二人住まいでね」
「たぶん、そう言う共通軸もお姉ちゃんは加味したと思いますよ。あの人からすると、それがシュチエーションになるのかも知れないわ」
「うん…、ああそうだ。うっかり忘れていたが、ケンには連絡しないとな。今日は部活で遅くなるとは言っていたが…」
”もう少し早く、”それ”には気づくと思ったんだけどね…”
ツグミは思わず苦笑した。
***
「つながんねーや。ライン入れとくか…」
ツグミはあらかじめケンには、家に着くまでスマホの電源を切っとくようにと連絡していた。
姉が自分のケータイからケンの番号を盗んだから、今日かかってくるはずだと言って…。
何しろツグミにとって、その日の行動は賭けでもあった。
姉のシグナルを読み違えていれば、万事休すだ。
郡姉妹の”決着”は心理ゲームにも行き着いていたのだ。
***
桜木兄は、どうも頭の回転がゆったりとしていた。
「あのさあ…、よく考えてみると、ツグミちゃんの解釈通りとしてだよ、お姉さんのターゲットってさ、オレじゃなくてケンでもよかったんじゃないのか?」
”そうよ…、普通、すぐにそこを突くわよね”
ツグミは心の中で再び苦笑していた。
「実はお姉ちゃん、ケンに惚れちゃったんです。帰ってきたら聞いてください。この前コンビニで待ち伏せされて、ズバリ誘われたそうです。まあ、彼はああいう人なので、きっぱり断ったって言ってました」
ツグミはためらわずそう切り返した。
「そうなのか…」
「ごめんなさい…。私、色々想定が頭巡って、ケンには昨日会ったんです。ただそのこと、お兄さんにはしばらく黙ってようって…」
「そう…」
この時点で郡ツグミは、平気で二人に嘘をついていた。
彼女は実質、桜井兄弟を掌に乗せていたのだが、決して自覚してのことではなかった…。
***
ツグミが桜木家に到着したのは、夜6時前だった。
「ウチの親は転勤族でね。オヤジは今、海外なんだ。母はオレの方もケンの方も早死にでさ。要は、君たち姉妹と一緒で兄弟二人住まいでね」
「たぶん、そう言う共通軸もお姉ちゃんは加味したと思いますよ。あの人からすると、それがシュチエーションになるのかも知れないわ」
「うん…、ああそうだ。うっかり忘れていたが、ケンには連絡しないとな。今日は部活で遅くなるとは言っていたが…」
”もう少し早く、”それ”には気づくと思ったんだけどね…”
ツグミは思わず苦笑した。
***
「つながんねーや。ライン入れとくか…」
ツグミはあらかじめケンには、家に着くまでスマホの電源を切っとくようにと連絡していた。
姉が自分のケータイからケンの番号を盗んだから、今日かかってくるはずだと言って…。
何しろツグミにとって、その日の行動は賭けでもあった。
姉のシグナルを読み違えていれば、万事休すだ。
郡姉妹の”決着”は心理ゲームにも行き着いていたのだ。
***
桜木兄は、どうも頭の回転がゆったりとしていた。
「あのさあ…、よく考えてみると、ツグミちゃんの解釈通りとしてだよ、お姉さんのターゲットってさ、オレじゃなくてケンでもよかったんじゃないのか?」
”そうよ…、普通、すぐにそこを突くわよね”
ツグミは心の中で再び苦笑していた。
「実はお姉ちゃん、ケンに惚れちゃったんです。帰ってきたら聞いてください。この前コンビニで待ち伏せされて、ズバリ誘われたそうです。まあ、彼はああいう人なので、きっぱり断ったって言ってました」
ツグミはためらわずそう切り返した。
「そうなのか…」
「ごめんなさい…。私、色々想定が頭巡って、ケンには昨日会ったんです。ただそのこと、お兄さんにはしばらく黙ってようって…」
「そう…」
この時点で郡ツグミは、平気で二人に嘘をついていた。
彼女は実質、桜井兄弟を掌に乗せていたのだが、決して自覚してのことではなかった…。
***