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異常行動が日常行動のオンナ【完結】
第2章 猟奇マックスへ
その3



”ふう‥、妹の方だけでもマトモで、とりあえず安心した‥。しかし…、あの子、姉を本気で恐れている‥。彼女は姉が両親を殺したと本気で疑っているようだし。そして、次は自分の番ではないかと、それこそ幼いころから怯えていたと…。かわいそうに…”


桜木正樹は郡氷子の妹、ツグミとファミレスで何度か会い、郡姉妹のアウトラインを実握した。
郡ツグミの言を”丸呑み”して…。


その結果二人は、郡氷子がいよいよ人間を殺したいという欲求抑制が効かない段階に至ったようだと判断し、相互協力を確認しあったのだ。


***


しかし、正樹の弁護士である辻合は杓子定規の殻を厚く張っいた。


「桜木さん、難しいことは考えなくていいでしょ。法に則って対処。これでいけば、別にああだこうだなしで決する」


「辻合先生、郡氷子は普通じゃない。完全にイカレてますよ。裁判を11件も抱えてるなんて…。まるで本場のギャング並みですよ」


弁護士の辻合は度のキツイ眼鏡の底で苦笑していた。
いや、嘲笑だったかも…。


***



「先生…、実は郡の弁護人は何人もチェンジしているが、中には彼女に対して訴訟を起こした人もいるんですよ!」


「ああ…、着手金とか、要は報酬の金銭関連でしよう?」


「いいえ!ストーカーまがいの強圧を受けて命の危険を感じたということからです」


「はあ…?大の男、しかも弁護士が、若い女の”依頼人”にストーカー行為って…」


さすがにビン底眼鏡の頑固弁護士も、ここで一挙に顔色が変わった。




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