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愛を嗅ぐ【完結】
第9章 困った副作用
「はあ…?じゃあ、以前みたいに親しい同性の友達とかが結婚したりするのを妬んで、例の下劣な願望を持ては、あの夜のような気持ちになれるからって動機でですか?」


「ええ‥、極めて短絡的だとは思うんですが…。まあ、頭の中で、もしそうなればって思い描く程度なんですが…。これって、先生…、副作用になるんでしょうか?」


「うーん、あなたの場合、人の幸せを奪ってやりたいという願望がとても強かったということで、自分に対する罪悪感もかなり深いものがったんだろう。だから、そこをビシッと責めて自分をさらけ出させてくれたU子さんからの仕打ちが、事の他、深く胸に染み込んでしまったのかもね」


「やはりそういうことですよね…」


「R子さん、実はね、U子さん、SMクラブで働いてるS女なんだよ。もしそういった、自分を叱って欲しいという願望が強くなったら、ちょっと高くつくが、店に行ってみたらどうかな。要は何の理由付けでもおし置きなんかしてくれる。あんまりのめり込むのはまずいが、人間誰しもそう言った願望はあると思うしね。まあ、副作用かどうかは、しばらく様子を見ましょう」


「はい…。よろしくお願いします…」


***


だが、その後…。
R子は頻繁にU子のお仕置きをねだりにSMクラブへ通うようになった。


W氏の診断はかなり要注意な副作用と見て、R子には極度の”限定心的執着症候群”という病名を下し、目下、その対処シュミレーションを模索している‥。




愛を嗅ぐ
ー完ー






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