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感じさせて
第1章 撮影現場
私は

犯されなかった・・・




本当にビデオ撮影の

スカウトだったんだ・・・




身なりを整えると

マッチョ先輩から

封筒に入った

お金を手渡された




犯されなかった事は

どこかで安堵しているのに



なぜか



全てが合意の上だと

言う事の方が

罪に思えてきて



私の心は沈んだ




「うさちゃん

さっきスカウトしたとこまで

送って行こか?」




「は、はい・・・


い、いえ、やっぱり・・

タクシーが
ひろえるところまで
送って下さい。」




「うん、わかった。

疲れたもんな。

タクシーひろってあげるから



行こ。」





シンくんは

来た時と同じように

私の手を握り

先を歩いた




その手を見ていたら

また




涙がこみ上げてきた




タクシーに乗ったら

もう・・・




手も握ってもらえない

生活に戻ってしまう・・





「うさちゃん?

どうしたの?

悲しそうな顔して」





「なんでも・・ないの・・」





「そうか?

僕は・・




悲しいよ

うさちゃんと

お別れや・・・



もっと

一緒におりたかったなぁ」





そんな優しい言葉

言わないで

涙…こらえきれないじゃない




「あ、ありがとう・・

シンくん・・」




お仕事

お仕事だから

こんな優しいこと

言ってくれるだけ





本気になんて



しちゃ……だめ……

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