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第16章 Side トオル

あれから
もう二週間が経っていた



浮気・・・
してないのか？・・



いや
そんなはずはない

あの動揺は

俺に言えない
何かが絶対に
あるはずだと思った




専務室の窓から
景色のいい外を眺める



今日は・・雨か・・



いつからだったかな
妻と
会話がなくなったのは




ふと
そんな事を思った



若かったからな・・
俺も・・・



妻と結婚したのは
多少
親への反発心が
あったのかもしれない

この会社を
継ぐことさえ
嫌で仕方なく

親が反対する
相手と結婚することで
精神的な
バランスを
とっていたのかも
しれない



付き合いはじめて
間もないまま


俺たちは
結婚していた






結婚することで
会社を継ぐという
環境が整い


俺は


社会を知り


営業を知り


付き合いを知り


遊びを知り




女を知った





いつの間にか

家庭を

妻を

ひとつのピースとしか

見られなく

なっていった






いい訳だな





それでも

夫婦円満な家庭は
いくらでもあるんだから・・