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感じさせて
第18章 握りしめる
よかった・・・


心矢に
読んでもらえた…



久保木さんの後を

いつもの席まで歩く


席に着くころには
我慢しても
溢れてくる涙が
こぼれ落ちていた




久保木さんは
黙ったまま
席を離れ



私を
ひとりにしてくれる



さっきまで
ガヤガヤと
騒がしかった店内が


私のまわりにだけ
バリアでも
張られたかのように
静かに感じられた




よかった・・




そう安堵したのに


無性に
心矢に会いたくて

無性に
声が聞きたくて

無性に
触れたくなってしまった



どうしよう・・








とまらない




「大丈夫・・ですか?」



アイスティーを
運んできてくれた
久保木さんが

私に声をかけた




「・・えぇ・・大丈夫・・」



大丈夫なんかじゃ
ないけど…



「はい、かしこまりました

夜のメニューですね?

今、お持ちしますので

少々お待ちください」




え?



久保木さん?


私、何も・・・






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