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感じさせて
第3章 カラオケボックス
シンくんと別れて

2週間ほど経っていた




私は今




シンくんに

声をかけられた

場所に



立っている





ここに来ても

仕方がないのに・・・





その場所に

ただ立ち止まり

小さなため息をついた



馬鹿ね・・私







「う~さ~ちゃん!」




えっ?




「シン・・くん・・」




後ろを振り向くと

そこには

満面の笑みを浮かべた



シンくんが立っていた




「どないしたん?

うさちゃん

今日も・・ひとり?」




ポッケに手を入れたまま

少し腰を折って

シンくんは

私の顔を

あの日のように

覗きこんだ




急に心臓がどきどきして

一気に

カラダが熱くなる





「え、えぇ・・・

シンくんは・・お仕事?」




偶然を装い

落ち着いて返事をした





「違うで。

ククッ(笑)」




「ど、どうしたの?」




「うさちゃん・・・

耳まで真っ赤や(笑)」




「や、やだ・・」




急いで耳をふさいだけど

耳は髪で隠れていた




「可愛いなぁ(笑)

すぐに、騙される


ほっとかれへんわ」






「シンくん・・」





「あ、仕事はな・・



あの日が最後で

もう辞めたんや。



なぁ、うさちゃん・・

お茶しよか?」





「お茶?」





「僕とお茶してくれへん?

もう、待ちくたびれたわ

ここで

2週間も待ってたんやで

お茶くらい、ええやろ?」





「2週間?

ずっと・・・待ってたの?」






「うん、いつか

うさちゃん

絶対ココに来る思って。



なんや、恥ずかしいなぁ


な、お茶行こ、な?」






「う、うん。」




私の返事を聞いた途端

シンくんは

あの日と同じように




私の手を握って




足早に

前を歩きはじめた



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