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感じさせて
第1章 撮影現場
「ホンマ?ホンマに?」


私が頷くと


「やった~
奥さん、ありがとう
先輩に殴られんですんだ
よかったぁ~・・
それに、奥さん
僕の超タイプやから
うれしいで!
楽しく、お仕事しような?」



そう言って
男の子は私の両手を
握りしめた


「ほな、早速ホテル行こ!
こっちこっち」



私と手をつなぎ
男の子は先を歩いた

手をひっぱられて
歩くなんて・・・・
何年ぶりだろうか・・・

私は戸惑いながらも
ちょっと
うれしくなっていた



こんなことで
きゅんとするなんて




私の心は
どこまで乾いていたのかしら・・




男の子は
歩きながら携帯電話で
先輩に連絡をいれ

すごく素敵な奥さんを
今から連れていくからと
説明していた




もちろん
お世辞だろうけど



しばらく歩くと
「あのホテルやから」
と、説明された



あ、私



緊張してきちゃった…




緊張すると
小刻みに体が震える
私の癖


その先輩は
どんな人なのか・・


いったい何人の人が
ホテルで待っているのか


私の決断は
間違っていたのではないか・・



不安がよぎりながら
なるべく落ちつこうと
深呼吸しながら
男の子の後を歩いた




男の子は
色々話しかけてくれたけど



何を話したのか
サッパリ忘れてしまうほど


私は
怖くなってしまった



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