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感じさせて
第5章 携帯電話
お願いしたいのは
私の方だった
なのに
シンくんは
少し
悲しそうな声で
私にお願いした
きっと
この子も
何か抱えてるんだ
そう思った
「あっ・・・」
「どないしたん?」
「トオル・・・」
「旦那さん?
帰ってきたん?」
「・・うん・・」
「電話・・・切る?」
切る?
って言ってるのに
切らないで?
に聞こえる
寂しそうな声
「大丈夫、切らないよ」
「ほんま?」
「うん
私が何してても
トオルには
関係ないから・・」
「うさちゃん・・・
可哀想に・・
今すぐ
抱きしめたいのに
でけへん
会いたいなぁ・・」
抱きしめてあげたいのは
私の方よ
どうして
今日は
そんなに
悲しそうな声を出すの?
「・・・うん・・
会いたい・・・」