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許嫁が多すぎる
第1章 許嫁増殖
少女が泣き止んで、落ち着くまで翔太とさくらはベンチに座らせ背中をさすってやった。
ようやく落ち着きを取り戻してきたロリータ少女は二人にお礼を述べてから語り出した。
「私、西尾梨華(にしおりか)っていいます。十四歳です……有馬紫水様に恩があって、その上ご子息である翔太様と許嫁にさせて頂きました……」
「君でもう三人目なんだよ、許嫁候補……いったいうちのじいちゃんとやらは何を考えているんだか……悪かったね、梨華ちゃん」
申し訳なさそうに翔太は会ったこともない祖父の代わりに謝罪する。
「いいえ。紫水様は素晴らしい方です。私は尊敬しております……」
「まぁ、なにがあったのかはわからないけど、とにかく俺は許嫁とか言われても困るだけだから。悪いけどなかったことにしてくれないかな?」
今までの二人に比べてくみしやすいと判断した翔太は諭すようにお願いした。
「いえ。それは無理です」
それまでの弱々しい気配とは明らかに異質の態度で梨華は断言した。
「そもそも翔太様は前世から私の伴侶なのですから」
「はい?」
この時ようやく翔太は異質の危険を察知したが、時すでに遅かった。
「お忘れでしょうか? 無理もございません。なにせ二千年も彼方の記憶でございますから」
ポツポツと語り始めた梨華の言葉を聞き、翔太とさくらは目を合わせ、視線だけで会話した。
『やばい、この子、厨二病だ』と。
ようやく落ち着きを取り戻してきたロリータ少女は二人にお礼を述べてから語り出した。
「私、西尾梨華(にしおりか)っていいます。十四歳です……有馬紫水様に恩があって、その上ご子息である翔太様と許嫁にさせて頂きました……」
「君でもう三人目なんだよ、許嫁候補……いったいうちのじいちゃんとやらは何を考えているんだか……悪かったね、梨華ちゃん」
申し訳なさそうに翔太は会ったこともない祖父の代わりに謝罪する。
「いいえ。紫水様は素晴らしい方です。私は尊敬しております……」
「まぁ、なにがあったのかはわからないけど、とにかく俺は許嫁とか言われても困るだけだから。悪いけどなかったことにしてくれないかな?」
今までの二人に比べてくみしやすいと判断した翔太は諭すようにお願いした。
「いえ。それは無理です」
それまでの弱々しい気配とは明らかに異質の態度で梨華は断言した。
「そもそも翔太様は前世から私の伴侶なのですから」
「はい?」
この時ようやく翔太は異質の危険を察知したが、時すでに遅かった。
「お忘れでしょうか? 無理もございません。なにせ二千年も彼方の記憶でございますから」
ポツポツと語り始めた梨華の言葉を聞き、翔太とさくらは目を合わせ、視線だけで会話した。
『やばい、この子、厨二病だ』と。