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許嫁が多すぎる
第8章 第三試験
二回目の審査も無事に合格し、一条寺琴音はホッと安堵の嘆息を漏らした。

現役アイドルというアドバンテージを活かせば二次審査くらいまでは問題なく通過するだろうと当初一条寺は簡単に考えていた。

しかし集められたメンバーを見て、一条寺はそれが容易くないとすぐに考えを改めた。
有馬紫水が集めてきたメンバーはアイドルの一条寺でも見とれてしまうほどの美少女揃いだったからだ。

それに翔太はアイドルであるからといって一条寺を特別扱いすることがなかった。
他の参加者と同じように扱われ、千樹さくらを一番に考えていた。
そんな態度にちょっと嫉妬もしたし、翔太の誠実さにも好感を覚えた。

アイドルというのは何も見た目が一般人より遥かに優れているというわけではない。
むしろ見た目はそれほどでなくても素振りや雰囲気を作り、可愛いと思わせることが大切だ。

実際に一条寺は息を飲むほどの美少女が芸能界で芽が出ずに消えていくのを何人も見てきた。
一条寺自身も芸能界から消えていく一歩手前まで追いやられたからよくわかる。

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