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第8章 第三試験

一条寺琴音は元々ジュニアアイドルとして活躍していた。
ジュニアアイドルなんて言葉でいうと聞こえはいいが、実際は子供のアダルトビデオ女優のようなものだ。

小学生に紐のような扇情的な水着を着させ、ストレッチ運動をさせたり、わざと口許をベトベトに汚させてアイスクリームを舐めさせたりする世界だ。

それを見るのは少女偏愛趣味の大人しかいない。
同年代の女の子が憧れるようなアイドルではない。

そんな異常者が自慰行為をするのに使うだけだ。

一条寺は小学校五年生の頃からそんな世界に身を置いていた。

デビューした頃はまだ面積の広い水着で許されていたが、DVDリリースを重ねる度に水着の面積は小さくなっていった。

ビデオには当然カットされるが、撮影現場では乳首がこぼれたり、水着がずれて陰唇が見えてしまうことなど日常茶飯事だった。

中学生の多感な時期にそんな撮影をされる恥辱は耐え難いものがあった。

しかしアイドルの夢を捨てきれない一条寺は屈辱に堪えて、仕事を続けた。

そんな一条寺の努力も虚しく、やって来る仕事はどれも酷いものばかりであった。