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許嫁が多すぎる
第1章 許嫁増殖
その後、天谷はそれまでの許嫁たち同様、有馬紫水に許嫁を言い渡されたことを告げた。
流石に説明するのも、抗うのも面倒になった翔太は適当にあしらって自宅に向かった。
「真面目に聞けよ、翔太。てか今の話聞いてただろう、千樹。彼女だかなんだか知らないけど婚約者が出来たんだから空気読んで帰ったら?」
天谷は翔太だけでなく彼女であるさくらにも食ってかかる。
「ご心配なく。慣れてますから、私。こういうの」
つんとした態度でさくらは天谷の目も見ずに答えた。
これまでの初対面同士の気まずさと違い、高校も同じで顔見知り同士のさくらと天谷の修羅場な空気は翔太の背筋を凍らせていた。
とにかくまずはオヤジに事情説明を求めようっ!
半ギレの勢いで翔太は家のドアを開けた。
「ただいまっ! おいっ! オヤジっ! いるかっ!」
「あら、お帰りなさい。翔太さん」
ととととっ家の中から出てきた人物は父親でもなければ母親でもなかった。
「い、一条寺琴音ぇっ!?」
中から現れたのは、国民的人気アイドルの一条寺琴音(いちじょうじことね)であった。
「はじめまして、翔太さん。一条寺琴音です。私、あなたの許嫁なんです」
流石に説明するのも、抗うのも面倒になった翔太は適当にあしらって自宅に向かった。
「真面目に聞けよ、翔太。てか今の話聞いてただろう、千樹。彼女だかなんだか知らないけど婚約者が出来たんだから空気読んで帰ったら?」
天谷は翔太だけでなく彼女であるさくらにも食ってかかる。
「ご心配なく。慣れてますから、私。こういうの」
つんとした態度でさくらは天谷の目も見ずに答えた。
これまでの初対面同士の気まずさと違い、高校も同じで顔見知り同士のさくらと天谷の修羅場な空気は翔太の背筋を凍らせていた。
とにかくまずはオヤジに事情説明を求めようっ!
半ギレの勢いで翔太は家のドアを開けた。
「ただいまっ! おいっ! オヤジっ! いるかっ!」
「あら、お帰りなさい。翔太さん」
ととととっ家の中から出てきた人物は父親でもなければ母親でもなかった。
「い、一条寺琴音ぇっ!?」
中から現れたのは、国民的人気アイドルの一条寺琴音(いちじょうじことね)であった。
「はじめまして、翔太さん。一条寺琴音です。私、あなたの許嫁なんです」