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許嫁が多すぎる
第2章 祖父、紫水
車中翔太は混乱した状況を頭で整理した。

ハーフの西洋人形みたいな許嫁が現れる。

艶気のあるセクシーな許嫁が現れる(キスされる)。

厨二病的美少女許嫁現れる。

幼なじみにいきなり許嫁だと告白される。

トップアイドルが許嫁だと現れる。

謎のじいちゃん登場

リムジンで移動中←今ここ

なんだこれっ! ありえるかこんな状況っ!

冷静に時系列に並べてみて、改めて尋常じゃない事態を再確認する。
車中では恋人の他、五人もの許嫁候補が犇めき合っている状態のだが、誰も会話をせず様子を伺う空気が漂っていた。
翔太はいろんな意味で窒息しそうなほど、苦しかった。

一時間ほど走ったところで車は目的地に到着した。

「なにここ……家……なのか?」

一軒の家とは思えないほどの館がそこにはあった。

「入り給え」

紫水は何の説明もせず館の中へと入っていく。
円形の玄関フロアーは映画でしか観たことのないような豪奢なつくりになっていた。
吹き抜けの天井にはもちろんシャンデリアがぶら下がっており、壁には身の丈よりも大きい絵画が飾られてある。

翔太があちこちを見回している間にも紫水は歩を止めず、さっさと先へ進んでしまう。

「この応接室に入りなさい」

紫水が扉を開け、翔太から順番に部屋へと入っていく。

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