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許嫁が多すぎる
第2章 祖父、紫水
全員が椅子に腰掛けると紫水は上座のソファーに静かに腰掛けた。
そこに翔太の父、有馬祥一郎(ありましょういちろう)が入ってくる。
「おやじっ!」
翔太は思わず立ち上がる。
「悪いな、翔太」
そこにいるのは見慣れた父とはかけ離れた、鋭い表情の父であった。
「祥一郎も座れ」
紫水に命じられ、父もソファーに腰掛けた。
「では翔太にも説明をしてやろう」
紫水は鋭い視線で孫を見つめ、説明を始めた。
紫水の説明は纏めるとこういうものだった。
有馬家は代々続く資産家であったが、紫水の代で事業が成功し、その財を何十倍にも増やした。
しかし強引な紫水のやり方に三男であった父祥一郎が嫌気をさし、家を出ていってしまった。
残った長男次男にあとを継がせるつもりでいたが、二人共商才に乏しく、更には権力闘争を組織内で行うまでに険悪になってしまっていた。
長男次男に家督を継がせることに不安を感じた紫水が家を出た三男坊の祥一郎を呼び戻したという話であった。
もちろん祥一郎にすぐに家督を継がせるわけではなく、その資質を見るという話で、だが。
そこに翔太の父、有馬祥一郎(ありましょういちろう)が入ってくる。
「おやじっ!」
翔太は思わず立ち上がる。
「悪いな、翔太」
そこにいるのは見慣れた父とはかけ離れた、鋭い表情の父であった。
「祥一郎も座れ」
紫水に命じられ、父もソファーに腰掛けた。
「では翔太にも説明をしてやろう」
紫水は鋭い視線で孫を見つめ、説明を始めた。
紫水の説明は纏めるとこういうものだった。
有馬家は代々続く資産家であったが、紫水の代で事業が成功し、その財を何十倍にも増やした。
しかし強引な紫水のやり方に三男であった父祥一郎が嫌気をさし、家を出ていってしまった。
残った長男次男にあとを継がせるつもりでいたが、二人共商才に乏しく、更には権力闘争を組織内で行うまでに険悪になってしまっていた。
長男次男に家督を継がせることに不安を感じた紫水が家を出た三男坊の祥一郎を呼び戻したという話であった。
もちろん祥一郎にすぐに家督を継がせるわけではなく、その資質を見るという話で、だが。