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許嫁が多すぎる
第10章 三日目
しばらく泣いたあと、落ち着きを取り戻した天谷は服を脱いだ。
日焼けしてない箇所と白い肌のコントラストは水着でも着ているかのように見えた。

それを見た翔太は促されずとも服を脱いで裸になっていた。
小さい頃はよく裸で川で泳いだりお風呂に入ったものだが、当然今と昔では裸で向き合うのは意味が違う。

「翔太っ……繋がりたい……ひとつになろう、翔太っ……」

「ああ。俺もそう思っていた……」

長い年月を共に歩んだ二人がそっと抱き合い、見つめあう。

はじめて素直になれた二人は熱い肌を寄せあう。

天谷を抱き寄せながら翔太は時計に目をやった。
だがいつも壁にかけられている時計は外されていた。

試験者にも翔太にも時計を見させないための行為であった。

(くそっ……)

翔太は内心舌打ちをし、天谷をベッドに寝かせた。

「挿れるぞ、聡子……」

「うん……ちょうだい……」

天谷は両手を翔太の方に向けて広げ、脚もそっと拡げた。

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